ターン60 蹂躙王と怪異の演目
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。それをあなたは、あっさりと圧倒的なまでの力を持って退けた。その力をお貸しいただけるならば、我々暗黒界による侵攻計画もより一層楽になるというものです」
「暗黒界?侵攻?」
「……少し前のことだ。元々この世界は暗黒界により統治されていたのだが、穏健派の龍神グラファを筆頭とする彼らによるあくまでも名ばかりの支配のもとで我々も平和な日々を過ごしていた。だがある日、あの空に留まり続ける不気味な彗星が現れてからすべてが狂いだした!」
バックアップ・ウォリアーが、レッサー・デーモンを睨みつけ銃口を向けたままその話をさらに補足する。
そしてどうやら今から語られる話は、この世界の根幹となる重要なストーリーのようだ。何ひとつ聞き漏らすまいと神経を集中させ、この世界の歴史に耳を傾ける。
「……取り乱してすまなかったね。といっても、あとは単純この上ない話さ。グラファはその日を境に謎の失踪、その代理として急遽暗黒界のトップに立った魔神レインは突如、暗黒界の全兵力を傾けこの世界の全てを圧倒的な力で侵略することを宣言した。あの彗星が出るまではグラファほどの穏健派ではないにせよ、少なくとも無益な戦争を仕掛けるような男ではなかったのだがな。そしてこれまで紳士的だった騎士ズール、武神ゴルド、軍神シルバといった面々までまるで熱に浮かされたようにレインの宣言に逆らうどころか嬉々として従う始末だった。私たちはその無差別な悪魔どもに抵抗するために勇者フリードの名の下に志を同じくして集まった抵抗軍、というわけさ」
この世界は、サンドモスとかの原生モンスターがやりたいように生きていた砂漠の異世界とはまるで違う。高い知能を持ち、組織立った行動をとる悪魔とそれに対抗する人々という構図は、現代日本に生きてきた僕にとってはなんだか現実味がない話に思える。
だけど、これがこの世界の現実だ。そしてこんな殺伐とした日々を過ごしている原因らしき天頂の彗星、思えば僕がこの世界を生き抜くための武器、僕の力そのものとして手に入れた壊獣デッキもあの彗星の力が白紙のカードを通じて流れてきた結果生み出されたものだった。
何かある。なんだか見当もつかないけど、怪しい力がこの世界には今まさに干渉しつつある。なら、僕が今するべきことは……。
「1つだけ確認させろ、レッサー・デーモン」
「おや、どうしましたか?」
「ブラッド・ソウル……ダーク・バルターも、お前たちの言う暗黒界の仲間だったんだね?」
「ふぅむ。私個人としては、あんな粗野で下級な者と同類扱いしていただきたくないのですが……そうですね。彼もまた、私と同じく魔神レイン様の元で働いていたことに変わりはありません。さ、これで満足でしょうか?ならば、そろそろご返事を聞かせていただきましょう。私達と共に来るか、それともここでその兵隊さんと
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