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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン60 蹂躙王と怪異の演目
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ルを反転召喚して装備魔法、巨大化を発動!こっちのライフが相手より下回ってることで、ジズキエルの攻守は倍加する」

 壊星壊獣ジズキエル 攻3300→6600 守2600→5200

「攻撃力、6600ですって!?」
「まだだぁ!魔法カード、シャイニング・アブソーブ!相手フィールドに光属性モンスターが存在するとき、その攻撃力を全ての自分のモンスターに加算する!本当なら光属性の壊獣とセットで使いたかったけど、この際贅沢は言えないね。光属性のスライハンド・マジシャンの攻撃力は、ジズキエルが頂くよ」

 壊星壊獣ジズキエル 攻6600→9100

「攻撃力……9100……!」
「バトルだ!ジズキエルでスライハンド・マジシャンに攻撃!」

 ジズキエルが両腕にエネルギーチャージを行い、その先端を真っ直ぐスライハンド・マジシャンに向ける。限界突破したエネルギーが今まさに放たれようとした時、レッサー・デーモンが最後の悪あがきに出た。

「トラップ発動、ドタキャン!相手モンスターの攻撃宣言時に自分フィールドのモンスターを全て守備表示にし、さらにこのターンに破壊されたEMは全て持ち主である私の手札に戻ります!これで次のターンに再びスライハンド・マジシャンを召喚し、今度こそとどめを刺してあげますよ!」

 再び芽生えた逆転勝利の可能性に、レッサー・デーモンの勝ち誇った表情に一瞬だが安堵の色が走ったのを僕の鋭くなった目は見逃さなかった。
 そして、今の僕はそれをすぐさま絶望に塗り替えることに対して暗い高揚と満足感を感じるのだ。

「速攻魔法、禁じられた聖槍を発動!このカードの効果でスライハンド・マジシャンは攻撃力が800ポイントダウンし、このターン魔法と罠の効果を受け付けない!これでドタキャンの効果で守備表示に慣れないスライハンド・マジシャンは、攻撃表示のままバトルを行ってもらうよ」
「そ、そんなこと……ひっ!」
「もう観念しろ、レッサー・デーモン!ジズキエル、お前の力を見せてやれ!」

 壊星壊獣ジズキエル 攻9100→EMスライハンド・マジシャン 攻2500→1700
 レッサー・デーモン LP3800→0





「ぐわあああああっ!」

 デュエルの敗者となったレッサー・デーモンの姿が、悲鳴と共に消えてゆく。だけどまだだ、まだ破壊したりない。そうだ、何を遠慮することがある。このあたり一帯をジズキエルの武装で焼け野原に変えて、それから他のことは考えればいいじゃないか。

「叩け、ジズキエ……うっ!」

 振り返ったところでこちらを遠巻きに見守っている後方支援部隊の人たちと目が合い、すんでのところで我に返る。デュエルディスクを殴りつけるほどの勢いで電源を落とすと、辛うじてジズキエルの姿も消えていった。

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