14. 友達が帰る日(後) 〜電〜
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…いいの……です?」
「うん。いいよ」
プツンという音が聞こえた。私の中の糸が今、切れた。
「うわぁぁぁあああああああああああああん!!!」
一つだけ決めていたことがある。私は、集積地さんと別れる時に決して涙を見せないと決心していた。私が泣いたら、朝の時みたいに集積地さんに余計な心配をかけてしまうから。集積地さんが、何の心配もなくちゃんと自分の家に帰れるように、私は彼女の前では泣かないと決めていた。笑顔でお別れしようと決心していた。
「集積地さぁぁぁああああん!! 集積地さぁぁぁあああああああん!!!」
「電さん……」
赤城さんが私に近づき、そして力いっぱい抱きしめてくれた。その感触が身体に心地いいけれど、でもそれが胸に痛くて……手を握ってくれているのが集積地さんじゃなくて赤城さんなのがとても悲しくて……
「集積地さん!! 帰ってきて欲しいのです!!! 寂しいのです!! お話したいのです!!! 手を繋ぎたいのです!」
「ホントによくがんばりましたね……電さん……」
「帰らないでほしいのです!! 戻ってきてほしいのです!! 集積地さん!! 集積地さぁぁあああああん!!!」
「ちくしょっ……お前らいねーと……つまんねーぞ子鬼……ちくしょ……ッ!!」
「天龍もか……」
「……ちくしょぉおおおおおおおッ!!!」
「うわぁぁぁあああああああああああああん!!!」
私達はしばらくの間、前進を止めた。赤城さんは泣き止まない私をずっと抱きしめていた、司令官さんはやっぱり泣き崩れてる天龍さんを必死になだめていた。そのせいで鎮守府に戻ってきたのは、夕方近くになってからの事だった。
こうして、集積地さんとのとっても楽しい一ヶ月は終わった。
そして、集積地さんとの再会が意外と早く訪れることを、この時の私はまだ知らなかった。
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