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テキはトモダチ
14. 友達が帰る日(後) 〜電〜
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に腕を組んでふんぞり返ってそう叫んでいた。声だけ聞くとなんだか怒ってるような、そんな感じがするけれど……

「キャッキャッ」

 業を煮やしたのかな? 子鬼さんが水面に降りて、そのまま天龍さんの方に走っていった。そして天龍さんの足にしがみつき、必死にかまってもらおうとしていた。

「やめろよ……うぜーんだよ! やめろッ!!」
「キヤァァアアア!」

 足にまとわりつく子鬼さんを、天龍さんはうざったそうに右手で追い払っていたけれど……でも子鬼さんは離れない。そして多分天龍さんも、本気でうざったいとは思ってない。

「やめろって……ひぐっ……お前に泣き顔見られたくねーんだよ……お前の前では……ひぐっ……カッコイイままでいたいんだって……!」
「キヤァァアアア」
「天龍さん。子鬼さんはあなたに憧れてたんですから……」
「……」
「最後まで、素敵な天龍さんでいてあげてください」

 赤城さんがそう言いい、私はいつの間にか子鬼さんにつけられていた天龍さんの眼帯を見た。そっか。子鬼さんは、天龍さんみたいにかっこ良くなりたかったのか……赤城さんとも仲良くはなったけど、あこがれは天龍さんだったんだ……だから眼帯もちゃんとつけてたし、天龍さんの真似してたのか。

「フフ……ゴワイガ……」
「ぷっ……泣きながら言っても……ひぐっ……こわくねーぞ?」
「ゴワイガ……」
「……チッ。しゃーねーなぁー……」

 観念したのかな。自分の足にまとわりつく子鬼さんを強引に持ち上げ、その両手を掴んでゆらゆらさせ始めた天龍さん。涙もボロボロ流して鼻水だって出てるけど、子鬼さんを見る天龍さんは、満面の笑顔だった。

「ほらぁ! お前これ好きだったろ?」
「キヤァァアア!!」
「ひぐっ……眼帯、なくすなよ?」
「キャッキャッ」
「ちゃんと……ひぐっ……あっちでも、カッコつけろよ?」
「フフ……ゴワイガ……」
「だから! 泣きながら言っても……ひぐっ……こわくねーから!!」

 自分の涙と鼻水を袖で拭きながら、天龍さんは笑顔のまま、ずっと子鬼さんをゆらゆらさせ続けていた。その光景を見ながら赤城さんは目を少々赤くしながら、それでも満足気に微笑んでいた。戦艦棲姫さんと何か二言三言言葉をかわしているようだ。いかに二人が仲が良かったのかを説明しているようだった。

 私は……耐えていた。

「イナズマ」

 この一ヶ月、ずっとそばで聞いていた声が私を呼んだ。高すぎず低すぎず、耳触りのいい心地いい声……

「集積地さん」

 大好きな声が聞こえた方を振り向いた。キレイな水色の瞳を持った私の友達。初めて着たはずのダサい色のジャージがよく似合い、資材に恋するとっても変な人で……毎晩司令官さんのグチに付き合ってあげてたお人好しで
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