アポカリプス
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任感じてて……! もう……私達を信じてくれないんじゃないかって……グズッ……嫌われたんじゃないかって、思ってたから……!」
「あ〜あ、涙で顔がぐしゃぐしゃでせっかくの美人が台無しだ。湖の騎士とか言いながら、案外涙もろいのな。……昔もらった教科書だけどさ、細かい所もちゃんと説明されてて、かなりわかりやすかったよ。おかげで強力な治癒魔法も覚えられて、旅先で多くの命を救う事が出来た……ありがとう」
「マキナちゃぁぁ〜んっ!!!」
「あ、コラ! そんな顔で抱き着くな! せめて涙と鼻水を拭いてからにして!」
徹夜の影響で若干感情的になっているシャマルと、想定以上に時間がかかった事で早く眠りたいマキナだが、この師弟の間には微笑ましい心の繋がりがあった。
「さてと……これを量産して各所に常備すれば、普通の人が吸血変異に脅かされても対処できる。月光仔や太陽仔のような特別な血筋が無い人間でも、未来を諦めなくて済むようになる。材料は次元世界でも屈指の貴重なものばかりだけど、栽培する環境はマザーベースで用意できるから、太陽の果実と並行して育てれば一般人でも手の届きやすい値段にまで下ろせるはず。……これで私も、サバタ様の隣に立てるようになったかな」
「立てるに決まってるわ……! だって世紀末世界の人も次元世界の人もまとめて助けられる薬なんだもの……きっとサバタさんも誇らしく思ってるわ……!」
「そっか……シャマルがそう言ってくれるなら、これを私の……いや、私達の最高傑作と自信を持って言えるね」
「達って、マキナちゃん……! あぁ、どうしましょう……嬉し過ぎて顔が元に戻らない……!」
「八神の所に戻るまでに直しといた方が良いよ、向こうが冷やかしてくるだろうから。……さてと、最後の仕上げとしてこの薬に名前を付けるよ。……よし、“ゼータソル”にしよう」
「ゼータソル……いい名前ね。この薬は、これから数え切れないほど多くの命を救ってくれる……。救われた命がまた新たな命を救っていく、その繋がりを形にできたもの。……まさに感無量よ!」
「それはもう痛いほど伝わってるから……」
何となしにため息をついたマキナはさっさと部屋を出て行き、シャマルも慌てて後をついていく。宮廷の外に出て、既に昇っている朝日を浴びると彼女は徹夜明けの身体を伸ばして凝りをほぐした。
「ふぅ……やっぱり寝てないから身体も頭もだるいや」
「後で少しくらい寝かせてもらいましょうか。作戦決行までそれなりにまだ時間があるもの」
そんな風に談笑しながらホームに帰還すると、朝早くから鍛錬をしているジャンゴとシグナムの姿を見つける。常人では見るだけでやっとの速度で剣舞を行う二人の姿から、剣技の練度が窺い知れた。
「おはよ〜お二人さん、朝から鍛錬
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