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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百一話 ある仮説
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事を提案しただろう。同盟の為政者はそれに乗った。戦力が少ない以上集中して使わなければならない。ならば中立国家フェザーンを創り帝国の侵攻路をイゼルローン一本に絞るべし……。
同盟の具体的な協力としては、おそらく資金援助だろう。地球から資金が出ていたとはいえ、その資金は決して潤沢ではなかったはずだ。地球はシリウス戦役で完膚なきまでに叩き潰されていた。
人口も少なく、資源も無く、汚染された大地しか無い。フェザーンを創る財力、それを帝国に認めさせるだけの賄賂、それを地球に出す事が出来たか……。地球だけでは難しいだろう、協力者が必要なはずだ。
レオポルド・ラープの資金は同盟で調達されたはずだ。ラープは同盟政府の非公式な援助の下、資金を調達した。交易、相場、政府の援助があれば大金を儲けるのは難しくなかっただろう。
もちろん同盟の通貨は帝国では使えない。しかし貴金属、宝石類は使える。ラープは同盟で得た資金を貴金属、宝石類に代えて帝国に持ち帰った。そして帝国マルクに変え、フェザーン設立のために使用した……。
帝国暦三百七十三年、フェザーン自治領が成立する。同盟政府がフェザーン成立に関わった事は一切が伏せられた。当然だろう、もし事実が帝国に知られればフェザーンはあっという間に帝国によって滅ぼされるのだ。
フェザーンは成立以後、弱体な同盟に対し協力をし続けただろう。当時の同盟政府の為政者にとってはそれで十分だった。そしてフェザーン、地球にとっても帝国、同盟の両者を共倒れさせるためにはそれが必要だった……。
全て俺の想像だ、仮説でしかない。もしかすると真実は違うのかもしれない。しかし、地球から全ての資金が出ていたとは思えない。だとすれば……。
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