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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百一話 ある仮説
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わけじゃない。原作を読んでみれば分かる。ロイエンタールはシャンタウ星域の戦いでメルカッツを相手に後退した。そしてラインハルトに後の処理を押し付けた……。
つまりラインハルトがどうやってその敗北を回復するのかをロイエンタールが試す形になった。ラインハルトも当然それを感じとった。ロイエンタールの事を純粋な部下ではなく競争者になりうる男だとラインハルトは思ったのだ。
ラインハルトのあの挑発紛いの言葉、“私を倒すだけの自信と覚悟があるなら、いつでも挑んできて構わない”、あれはロイエンタールが相手だから発せられたのではないだろうか。だとすればロイエンタールの反逆はシャンタウ星域の戦いで後退したときから決まっていたのかもしれない。そう思うのは考えすぎだろうか……。
もし俺がラインハルトの立場だったらどうしただろう。ラインハルトと同じ方法を取っただろうか、メルカッツを相手にするのではなくブラウンシュバイク公達を挑発し彼らを撃破する……。そうする事で戦局を決定しただろうか……。
ラインハルトと同じ方法を取る、あれによって貴族連合はかなりの大打撃を被った。だが同時に将来的にはロイエンタールの反逆を招いた……。だとすれば、ロイエンタールに十分な兵力を与える事でシャンタウ星域の征服を命じたとしたらロイエンタールはどう思っただろう。競争相手にはならない、そう思っただろうか、であれば反乱は防げただろうか……。分からないことばかりだ……。
考え込んでいるとシューマッハが近づいてきた。
「司令長官」
「?」
「オーディンより通信が入っております。国務尚書、リヒテンラーデ侯です」
「こちらに映してください」
リューネブルク達が俺から離れた。そしてスクリーンにリヒテンラーデ侯が映った。老人は気難しい表情をしている。何か問題が有ったようだ。どうして事が多いのか、内心で溜息を吐く想いだ。
「如何されました、思わしくない御様子ですが?」
『反乱軍がフェザーンに進駐した』
「……」
それは分かっている。一週間ほど前に同盟はフェザーンに進駐した。こちらの思い通りだ、問題は無い筈だ。
『そこまでは良い。だがレムシャイド伯が妙な話を持ってきた』
「……」
なるほど、老人二人が判断に困って俺に話を持ってきたか。物が何かは分からないが厄介な事に違いない。
『卿、長老会議を知っておるな』
「ええ、知っていますが」
俺の答えに目の前の老人は困惑したような表情を見せた。妙だな、この表情だと厄介ごとじゃない、腑に落ちない事が起きたか。
『反乱軍が長老会議のメンバーに接触しているらしい』
「……と、言いますと」
『何故長老会議を開いてルビンスキーを追放しなかったのかと』
「!」
思わず自分の表情が厳しくなるのが分かった。
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