第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#21
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE? 〜Urban Strafe〜
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。
「おいおいおいおいおい、どーなってんだこりゃあ?
予測もつかねーよーなコトが次から次へと。
形容と(火の粉の)色から “千征令” のバカには違いねーが、
アイツに此処までの存在力はなかったはず。
っつか、どこぞでくたばったんじゃなかったか、あのヤロー」
トーガの手に乗せられた分厚い本が、羊革の表紙をバタバタ鳴らして告げる。
しかし疑念を考慮する間もなく巨人が剛剣を揮い、
天変地異のような暴風が周囲に吹き荒れた。
(流石に、キツイか)
( “吸血鬼化” されているなら日光で)
(久しぶりに喰い甲斐のある獲物だぜ)
三者三様、転進、機転、舌舐めずりと異なる感情が重なった瞬間、
周囲は神秘の光輝に包まれた。
古代王墓のように、千年経っても滅びないと想われた巨魁は天空へと駆け昇る
光の奔流に包まれ、その中で形を無くし融けていった。
「……!」
驚愕ですらない、余りにも超絶的な光景に喪心する美女の傍らで
「エリザベス、さん……」
光輝を見上げるトーガがポソリと呟く。
「 “千年妃!?” アノ女! 今此処に居るの!?」
「おいおいおいおいマジか!? 知り合いか!?
ケータイの番号知ってンなら教えろッ!
ってか逢わせろ! いますぐッッ!!」
それぞれ狂暴な熱情を胸に、フレイムヘイズと王がトーガに迫る。
特に一方は先刻の闘気以上、アラストールに視せたら噴飯ものの勢いで
花京院にがっついていた。
ソレが如何なる理由からか、花京院が訪ねる前に凶弾が襲来。
狂いなく美女の眉間に着弾する。
「――ッ!」
衝撃で仰け反る肢体、スコープ越しに猛禽の瞳がニヤリと曲がる。
しかし。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッッ!!
頭蓋を貫き脳を完全に破壊した筈のライフル弾が、
美女の眉間皮一枚の距離で停止していた。
有り得ない事態に眼を凝らすと、網状に折り合わされた半透明の腕が、
防弾チョッキのように撓んで弾丸の殺傷力を分散させている。
(スタンド……!?)
不敵な笑みを浮かべる美女の肩口から異星人のような頭部が抜き出し、
煌めく翡翠の燐光が周囲で瞬いた。
大仰な獣の中に隠された二重の罠、
マージョリーの躰を包み護っていたのは彼女の生み出したトーガではなく、
その裡に 「潜行」 させた花京院のスタンドだった。
意図せず現れた超巨大な存在の消滅劇、
その間隙を衝く奇襲が招いた完全なる油断。
着弾精度を重視した為 『マンハッタン・トランスファー』 は使っていない。
故
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