第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#21
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE? 〜Urban Strafe〜
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、
地獄の惨苦となりて沈んでいった。
「……」
長い爪を考慮して平に構えた美女の拳が、
深々と一応鍛えられた脇腹にメリ込んでいる。
「グッッッ……ゴオォ……!! オオオオオオオオォォォォォォォ………」
凄まじい痛みと怖気、迫り上がってくる嘔吐感に呑み込まれた苦悶。
くの字に曲がった身体が膝から崩れ落ちるより速く、
バガァ!! と乱れのない弧を空に描いた後ろ廻し蹴りが胸元に炸裂する。
そのまま、後はただの地獄絵図。
肉の拉げる音、骨の軋む音が間断なく響き続け、
やがてボロボロにされ痙攣する男の亡骸が路上に転がるだけとなった。
「へぇ〜、面白い。本当に女は攻撃出来ないのね、この男。
今ので殺されててもおかしくなかったのに、
能力を出す素振りすら見えなかったわ」
「だから言ったでしょう。貴女を撃ったのはこの男ではないと。
曰く “女を殴るくらいなら死んだ方がマシ” だそうです。
最もこの弱さでは、説得力の欠片もありませんが」
「う、うるせー!! オレは 『世界一女に優しい男』 なんだ!!
ガキだろうがババアだろうが女を尊敬してるからだ!!
これがこのホルホースの人生哲学!!
モンクあっかああああぁぁぁぁぁぁ!!」
血みどろの姿、半ば涙目でガバッと起きあがった男の叫び。
弱者の遠吠えにしても哀愁さながら、妙に感慨ある言葉だったが
ソレは眼前の二人には届かなかった。
「な、なん、だ……アレ、は……」
「ウソ……顕、現……? こんな場所で……!?」
「あ? なんだよ? どーしたんだよ?」
自分の存在が二人の眼中にない事を気づかないホルホースは
訝しげな視線で問い質す。
「ミス・マージョリー……アレは、一体……?」
「アイツも此処に来てたっての!?
でも、あんなモン召喚するとか何トチ狂ってンのよ
あのバカッ!」
「お、おい! テメーらの相手はこのオレサマだろうが!
無視すんじゃあねーこのやろう!」
「「うるさい黙れッッ!!」」
「はい……」
重なって威圧感が倍増した二人の恫喝に、
ホルホースは身を収縮するスタンドより小さくなった。
ったくよぉ、なんだってんだよぉ、
と負傷した身体で愚痴りながら煙草を銜えた男の背後、
なんか急に暗くなったなと振り向いたその先。
中天を衝く巨人、その腕に特大の剛刃を握り締めた騎士が
彼方に屹立していた。
「う、うわ!! うわうわうわうわうわうわうわッッ!!
な、なんだありゃ!? なんだなんだなんだ?! なんなんだよおいっ!?」
三度腰が抜け、手だけで器用に路上を這い、そのまま美女の脚線に縋り付く。
紅世最強の自在師に拠って具現化された、
遠方の騎士に意識を奪われたマージョリーに代わって
隣のトーガがソレを足蹴にした
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