第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#21
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE? 〜Urban Strafe〜
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者と」
その見掛けとは不釣り合い(どころではない)の、美声同士の会話。
そこに至ってようやく炎獣 (きぐるみ) の中身が花京院だと判った男は
即座に狙いを定め、スタンドの弾丸を乱射した。
本物と寸分違わない銃声とマズルフラッシュ、
焼けた硝煙の匂いまで漂わせてスタンドは全弾トーガに命中したが、
受けた当人は別段何のダメージも受けた様子はなく
長い爪で分厚い胸部を掻いている。
「は!?」
呆気に取られた表情でこちらを凝視する男に、
銃弾を受けたトーガは冷めた口調で平然と告げた。
「おまえのスタンドは、その臆病な性格が示す通り
相手の 「本体」 を 「暗殺」 するために生まれた能力だろう?
なのに真正面から撃ってどうするんだ?
第一 「炎」 が苦手だと、前に自分で言わなかったか?」
「あ!?」
背後の 「後ろ盾」 を良いことに、
自分の弱点をすっかり忘れていた男の眼前に巨腕を振り上げたトーガが迫る。
「げぶっ!」
そのまま放たれた一撃によりホルホースの身体は
熊に張り飛ばされた如く路上に転がり、
宙を舞ったテンガロンハットがふわりと仰向けの顔に落ちた。
「……」
掌打ではなくギラついた大爪で突き刺せば容易く絶命しただろうが、
何だか哀れに感じたので花京院は手心を加えた。
強者揃いのDIO配下のスタンド使いにも、
こんなヤツがいるのかと炎獣の中でため息をつく。
「テ、テメー! ンなもんの中に隠れて攻撃するとか卑怯な真似しやがって!
勝った気んなってんじゃあねーぞこらぁッ!」
鼻と口から流血しながら、むくっと起きあがった男に
“お前にじゃない” と美男子はトーガの額に手を当て首を振る。
「……」
その真横で、すっと隣のトーガが歩みだし、
躰を包む炎の衣を惜しげもなく解いた。
「ミス・マージョリー?」
肩のグリモアを預けた背後の声に、彼女は大丈夫と右手を挙げる。
「お、おおぉ〜……」
路上に這い蹲る男の眼前、醜悪な獣の中から現れしは、
眩暈のするような風貌と馥郁たる芳香に包まれた絶世の美女。
煽情的な腰回りに靡く栗色の髪、視線ごと吸い込まれるような菫色の瞳、
芸術的とも云える躰のラインに、悩ましく開いた胸元。
好色家でなくとも男なら法悦を禁じ得ないその存在に、
すくっと立ち上がったホルホースは戦闘中である事も忘れ
ただひたすら魅入る。
そして、目の前まで来た彼女が微かに潤んだ瞳で小首を傾げると同時に、
理性など一巡の彼方まで吹き飛んだ男が何処ぞ莫迦のように
発情した犬の如く(躾ない親もどうかと想うが)本能のまま動こうとした瞬間。
ズガアァッッ!!
甘美なる悦楽を想起した視界は暗転
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