第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#21
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE? 〜Urban Strafe〜
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れれば、
幾らマージョリーの炎獣と云えども群がる家畜以下の存在に他ならない。
スタンド能力を介するまでもなく、爆心地一帯を火の海にする兵器の使用を
躊躇わない猛禽の瞳が、スコープ越しに狭められていく。
しか、し。
(!?)
引き絞られた指先が破滅の銃爪を弾く前に、
不可思議なる光景が感覚と共に飛び込んできた。
超遠距離であるためする筈のない、しかし確かに聴こえた銃声、
舞い散る火の粉にキラキラと反照しながら上空へと放たれた無数の弾道が、
やがてあらゆる法則を無視して楕円を描き炎獣の群れへと殺到する。
虚を衝かれたトーガの群は無数の弾丸を巨躯に浴びるが、
しかし生物ではないため何の反応も示さず、
撃ち抜かれた額を掻いているものもいる。
キョトンとした獣達の前に、やがてやたら芝居がかった仕草で現れる男。
勢い任せに引き金を弾いてしまいそうになるが、
「あの、バカめ……余計な真似を」
やがてジョンガリ・Aは肩からランチャーを下ろし、忌々しそうに頭を掻いた。
【2】
大仰なテンガロンハットとウェスタンシャツ、本革のパンツ、
下腿を覆うレギングスと装飾過剰な西部劇さながらの出で立ち。
その男、スタンド 『皇 帝』 のホルホースは群がる炎獣に怯む事なく
歩み寄り、不敵な笑みを浮かべた。
張り詰めた戦闘には不釣り合いの、軽佻浮薄な雰囲気。
「……」
やがて無分別に突き出した右手からメギャン! という感覚と共に、
アナログとハイテクを一緒くたにしたようなデザインのリボルバーが出現し
指を突き抜けて握られる。
そのまま男は、慣れた手つきでスタンドを廻しながら
余裕綽々といった表情で銃口をトーガに突き付けた。
「フッフッフ、何の小細工かしらねーが、
こんな不細工なきぐるみで“オレ達” を仕留められると思うとは、
随分と甘くみられたものだぜ。 えぇ? 花京院」
銃型のスタンド、そのバレル部分に搭載されたレーザーサイトのような機器が、
赤い直線を発してトーガの眉間を印す。
遠間で口唇を読んだジョンガリ・Aは、
わざわざこちらが “二人” だとバラしてくれた
間抜けの脳天を本気で撃ち抜きそうになった。
「 “ノリアキ” コイツ知り合い? 殺してもいいの?」
不意に、十数体いるトーガのうち一匹が、
腰の位置(といってもどこがそれだか解らないが)で腕を組みながら訊いた。
喋るのか!? という戦闘とは無関係の驚愕で顔を突き出す男を余所に、
隣のトーガが同様の所作で答える。
「フム、それも一興ですが、この男が
“一人で来ていること” は有り得ません。 おそらく囮でしょう。
どこかに潜んでいる、貴女を撃った
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