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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十六話 宇宙艦隊副司令長官を代行することになりました!!
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たてられるのは自分たちがいるところだと思っておる。動こうとはしないだろう。」
「・・・・・・・・。」
黙っているラインハルトに対して、メルカッツ提督がわずかに顔を緩ませた。それは上官の部下に対する態度というよりも、息子に対する父親の表情であった。
「心配はせずともよい。その辺りのことは私に任せなさい。ウェリントン伯爵、ヴァンクラフト大将、卿らはどうかな。」
「ミューゼル大将閣下の采配に従いますわ。」
間髪入れずにイルーナが言った。
「小官も異論はありません。先の戦いでのミューゼル大将閣下の采配に感服しております。」
ウェリントン伯爵も同意した。ラインハルトは内心どう思っていたかイルーナにはわからなかったが、とにかくも彼はウェリントン伯に少し会釈を返していた。


* * * * *
ブラウンシュヴァイク公とミュッケンベルガー元帥はリッテンハイム侯本隊の前衛と小競り合いを繰り返しながら、じわじわとリッテンハイム星系にその歩を進めていた。そのさなか「メルカッツ提督重傷!!」の報に接した二人とその主だった幕僚たちは一様に顔を曇らせた。主だった高級将官はオーディン残留組を除いて悉くこの主力軍に加わっている。華やかな舞台から裏方に回るのは誰しもが良しとしないところだった。そんなわけでラインハルトがメルカッツ提督の後をついで指揮権を代行することについては比較的あっさりと決まったのである。だが、メルカッツ提督からはもう一つ要望がありそれがミュッケンベルガーらを少なからず悩ませ、不快にさせる原因を作っていた。

曰く、ラインハルトを上級大将にしていただきたい、と。

10万隻を指揮するうえで、階級が大将ではその威令が全軍に届かない、というのが理由であった。確かにメルカッツ提督は上級大将であり、bQとしてふさわしい位置にあった。軍令を隅々までいきわたらせるには階級はあって困ると言うことにはならない。むしろたいていの軍人にとっては階級は自らの命令を正当化できるツールなのである。
「だが、あの孺子は代行であろう。ならば上級大将にしてやらずともよいではないか。」
という意見は少なくなかった。だがそうなると、ラインハルトと同格の将官たちが彼の指令を聞かない可能性がある、という指摘が飛ぶと、その意見はしぼんでしまった。議論百出したが一向にらちが明かず、最後はミュッケンベルガー元帥に一任された。彼は内心孺子が自分の元帥の椅子にまた一歩近づくのを忌々しく思っていたが、全体の戦局を忘れ去るような人間ではなかった。
「やむを得まい。あの孺子を上級大将にし、別働部隊の指揮をとらせることとしよう。ただしメルカッツ提督が先任であり、メルカッツ提督が快癒次第奴は提督の指揮下に配属される。このことを奴が了承してからだ。」
忌々しげにミュッケンベルガー元帥は言い、オー
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