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歌集「春雪花」
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 もみぢ葉の

  散りにし風に

   初冬の

 あられ落ちにし

    待つも虚しき



 色褪せた紅葉の葉を散らず風…そんな寒く冷たい風に混じり、霰がぽろぽろと落ちてきた…。

 そんな初冬の風景に、私は一体何をしているのだろうかと…ふと思ったのだ…。

 彼に会えようもなく…彼に愛されようもない私が、一体何を待てば良いのだろうと…。


 待ちて来るは冬ばかりなる…なんと虚しいだけの毎日か…。



 幾千の

  溜め息つくや

   わが心

 想い時雨て

    影もあらざり



 毎日…溜め息をつく…。心の中では…もう数え切れないほど溜め息をついてきた…。

 所詮は相容れない…彼を想うは勝手だが、彼の全てを手に入れたいなど…自分で自分が嫌になってしまう…。

 それでも…この抑え切れない想いは、彼を欲してしまうのだ…。

 彼に愛されないと知っているのに…


 彼はここには…いないのに…





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