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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
外伝
外伝《絶剣の弟子》G
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たせいか、体は元気でも精神は疲れ切っていた。特に出席日数などに拘りは無いので休んでしまおうと、体を起こす。
 無断欠席だと心象も悪くなるので、きちんと連絡を入れ、ゆっくりと朝ご飯を作る。
 それから一通りの家事を終わらせると、ベッドに倒れこみ、思考を停止する。疲れている時はあれこれ考えるより、こうやって思考をまっさらにしているのが一番だ。
 瞼が重くなる。どうせサボったのだから二度寝も良いかもしれない、と考えそのまま意識を手放した。






「南君、ごめんね。ちょっと良いかな?」
「うん……?」

 机に顔を突っ伏して寝ていた僕は顔を上げてゆっくりと辺りを見渡す。消しムラが目立つ黒板と、整理整頓の余り得意では無い担任の先生の机。その横にあるメダカの水槽。夕暮れの日が教室に差し込み、世界をオレンジ色に染めていた。

「戸締りするから、そろそろ帰ろう?」
「あ、うん。ごめん、紺野さん」

 この子は紺野藍子さん。同じクラスで隣の席の女の子だ。本が好きで頭が良い。活発ではないけれど、愛想は良く落ち着いた雰囲気をしていて、誰にでも優しい。そして僕の、初恋の人だ。
 想い人に恥ずかしい格好を見られた僕は赤くなりつつ席を立つ。その様子を微笑みを浮かべて見ている紺野さんを見てしまって余計に恥ずかしくなる。

「よく寝てたね」
「う、うん。ちょっと昨日、夜更かししちゃったかな」

 そんな記憶はないけれど、妙に体が重い。まるで粘度の高い泥の中を歩いているようだ。それでも体は勝手に動き、勝手に言葉を紡ぐ。

「紺野さんは何時もこんな時間に帰ってるの?」
「ううん、今日は偶々。日直だったのと、図書館委員の仕事もあったから」
「大変だね……」

 紺野さんは頑張り屋だ。責任感もあって友達だけでなく先生たちからの信頼も厚い。その為、色々な仕事を任されてしまう。彼女はそれを笑って引き受けるのだ。

「南君、何か悩みごと?」
「……え?どうして?」
「うーん……何となく、かな?」

 僕の顔を少し見上げ、微笑みながら微笑みながら首をかしげる様子に頭の奥が少し刺激される。目の覚めるような刺激でぼんやりしていた頭が少し動いた気がした。
 …………そうだ、この笑みは……ユウキさんと同じだ。2人はとてもそっくりだ。

「ユウキ……さん……」
「え?」
「あ、え、いや。何でもないよ」
「ユウキって言わなかった?私の妹のこと、知ってたっけ?」
「前に兄弟とか姉妹の話をしたことはあったと思うけど……」
「あ、そう言えばそうだったね。南君は一人っ子で、私みたいなお姉さんが居ればよかったなって」
「……そう、だね」

 紺野さんとは去年小学3年生の時と今年の4年生の時とクラスが一緒だ。その話をしたのは確か去
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