Track 4 ともに目指す場所
活動日誌20 あいは ・ たいようじゃない? 1 『まきりんぱな』
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うしたら、部屋の外からでもわかるくらいに、慌てているのか、バタバタと部屋の中から物音がしていたのだった。
なんか邪魔になりそうだったし、声をかけないで自分の部屋に戻ったんだけど。
突然ピタリと音がしなくなって、気になっていたら――
バタバタと足音を立てて「ちょ、ちょっと出かけてくるー」って、慌てた声でお母さんに声をかけて、どこかに出かけて行ったお姉ちゃん。
どうしたんだろうって気になっていたら、数時間後に戻ってきた。
そしてバタバタと足音を立てて自分の部屋に入ったと思ったら、また静かになったんだよ。
だから、気になってお姉ちゃんの部屋を覗いたら――
大事そうに、丁寧に、1本のマイクを拭いていたお姉ちゃんの姿が目に入った。
とても幸せそうに、だけど決意のこもった瞳でマイクを眺めて拭いていたお姉ちゃん。
拭き終わると立てかけてあったケースを開けて中にしまっていた。
それで『マイクケース』なんだって理解したんだよ。
もちろん、どう言う経緯でお姉ちゃんが持っているのかは知らないんだけどね?
だけど、とても大事にしているんだと思えた。
だって、その時のお姉ちゃん――なんだろう。決意って言うのかな?
そんなことを感じるような真剣で、でも瞳を輝かせて、マイクを拭いていたから。
だからお姉ちゃんにとって、そのマイクもパンフレットや写真のように――
お姉ちゃんの目指す道を照らしているんだと思っているのだった。
話を戻すね?
そんな風に涼風と話をしていたんだけど隣を歩いていた花陽さんが急に表情を曇らせたから訊ねたんだけど?
また真姫さんの家に伺う前の話を蒸し返そうと――いや、していたのは私なんだけどね?
悲しそうな顔をして「根に持っているんだよね?」って言いそうだったから私は慌てて否定をしていた。
――のに、凛さんが例のノリで繋いで言うもんだから呆れて声をかけたのだった。
なのに凛さんは全然気にしていないようで、両手を猫の手にして、リズムを取って上下に振りながらこんなこと言うんだもん。
呆気に取られそうになった自分を引き戻して、焦り気味に花陽さんへのフォローと涼風に真相を伝えたのだった。
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