Track 4 ともに目指す場所
活動日誌20 あいは ・ たいようじゃない? 1 『まきりんぱな』
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まぁ、作っているって教えてもらっただけだから『頼まれて作った』のか『自主的に作った』のかは知らないんだけど。なんてね。
だから実際に、この場にいるのが花陽さんだけなら――真姫さんはここまで慌てていないのかも知れない。
だって花陽さんは知っているんだから。
だから3人だけの時に渡していれば、凛さんは真姫さんに、怒りながら追いかけられることも叩かれることもなかったのかも。
だけどこの場には、私達が一緒に居合わせている。それで私達にまで知られたくなくて、恥ずかしいから、真姫さんはあそこまで慌てていたのだとも思う。なんてね。
とは言え、その場で生徒手帳を渡していれば、花陽さん達が真姫さんの家にお邪魔する理由はなくなる訳で。
そうなれば必然的に、私達が真姫さんの家にお邪魔することもなかった訳なんだ。
真姫さんの家にお邪魔できたって言う貴重な時間も、今日詞を見てもらうこともなかったんだって感じていた。
これもきっと偶然の生み出した奇跡の欠片――そんな気がする。
だから、結果的には凛さんが生徒手帳を教室で渡さなくて良かったのかな? って、そんなことを思いながら微笑みを浮かべて花陽さん達を眺めていたのだった。
♪♪♪
そんな感じで真姫さんに見送られて、真姫さんの家をあとにした私達。
とりあえず目的は真姫さんの家だったから、もう花陽さん達と一緒にいても大丈夫な大義名分はなくなった。
――いや、誰もそんなことは思っていないんだけどね。
なので、私達1年生は全員で目配せをして踵を変えそうとしていたんだけど――
「……そうだ! せっかくだから、お母さんにお饅頭を買っていってあげようかな?」
「――凛もお土産買って行くニャ!」
「あっ、亜里沙もスラ――い、いえ……お饅頭買って帰ります」
「……いや、亜里沙のそれは、お饅頭じゃないよ?」
「……もぉ、雪穂ぉ……揚げもち取らないで!」
「いや、せめて足を取らせてよ……って、涼風も来る?」
「お邪魔じゃなければ……」
「ぜーんぜんっ! あっ、でもぉ……決してお姉ちゃんの部屋は覗かないでね?」
「――する訳ないでしょ! ……取り次いでもらえるなら嬉しいけど」
「要は見たいってことね? ……どうだったかなぁ? まぁ、大丈夫だとは思うけど――って、花陽さん?」
「……やっぱり根に持って――」
「――いませんから!」
「――んからっ!」
「……いや、凛さん、それ意味わかりませんから」
「ニャンニャンニャ−ン」
「……と、とにかく! 根には持っていませんし……お姉ちゃんの部屋を見て、夢と幻想を打ち砕かれても……決して、お姉ちゃんをキライにならないでね? ってことを言いたいだけです!」
花陽さんが唐突にお土産を買って帰ると言い出した。その言
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