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テキはトモダチ
13. 友達が帰る日(前) 〜電〜
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えへへ〜」」
「もう付き合っちゃえよ」
「「ぇえッ!?」」

 い、いやその……確かに集積地さんは好きですけど、電は普通に男の人の方が……いやでも集積地さんなら……と私が少々血迷って困惑していると……

「冗談だよ本気にするなよお前ら……」

 と天龍さんはものすごく呆れた顔でこっちを見ていた。集積地さんも顔がちょっと赤くて取り乱している。

「い、いや私は普通に男が好きだから……いやイナズマは好きだが……」

 悪い気はしないのですけど、そこは大人の余裕で笑っていて欲しかったのです……。

 出撃ドックに到着すると、そこにはすでに司令官さんと大淀さん、そして赤城さんと子鬼さんたちが到着していて、私たちのことを待っていた。司令官さんは手に大きな紙袋を持っていて、赤城さんが持っている矢筒に入っている矢は、いつもよりも本数が少ない。

「子鬼さん!」
「キャッキャッ……!!」

 子鬼さんたちは、赤城さんと一緒に集積地さんの艤装のそばで待機していた。そういえば、子鬼さんたちは集積地さんの艤装の中に入るんだっけ。

「アカギ……昨日は子鬼たちと一緒にいてくれてありがとう」
「いいんですよ。一航戦の仲間ですから。ですよね子鬼さん?」

 少しだけ目が赤く腫れている赤城さんは、微笑みながら子鬼さんにそう声をかけていた。それに対して子鬼さんたちも『ぅぉぉおおおお!!』と地響きのような声をあげている。うれしいのはこれでもかというぐらいに伝わってくるけれど、子鬼さんってこんな声も出せたんだ……

 集積地さんが子鬼さんたちに頷くと、子鬼さんたちは一人、また一人と集積地さんの艤装の中に入っていった。確か全部で10人ぐらいいたはずなのだが、あれだけの人数の子鬼さんが約一名を除いて全員集積地さんの艤装の中に戻っていった。今更だけど、集積地さんの艤装ってどうなってるんだろう……?

「おっ! お前は俺達と一緒にいるか?」
「キャッキャッ!」

 たった一人、天龍さんの眼帯を受け継いだ子鬼さんだけが私たちと一緒にいるようだ。その子鬼さんは、天龍さんに捕まってしばらくゆらゆらされた後、天龍さんの拘束を自力で解いて赤城さんの肩に飛び乗っていた。

「あっ! 姐さんじゃなくて俺の肩に乗ってもいいんだぞ?」
「フフ……コワイカ?」
「うるせー!」
「子鬼さんと赤城さんもとっても仲良しなのです!」
「だな」
「なんだよ俺だけ一人じゃねーかよー!!」
「天龍。寂しいなら、俺と手つなぐ?」
「うるせーよ……」
「あら怖い」

 司令官さんの誘いをきっぱりと断った天龍さんは、そのままへそを曲げた五歳児みたいな顔をして白旗を持っていた。自分のことを慕っていると思っていた子鬼さんが迷わず赤城さんの肩に乗っていたのがなん
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