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テキはトモダチ
13. 友達が帰る日(前) 〜電〜
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ファスナーを開けながら話し始めた。なんだかその仕草が妙に色っぽく見えるのは、きっと集積地さんがキレイな人だからだろう。

「提督、私の部屋は……」
「部屋っつーか資材貯蔵庫だが、あのままにしとこうかなと。みんなの憩いの場になっちゃったしな。だから片付けはいらんよ」
「そうか……では忘れないうちに、このジャージの上下は返そう」

 あ、なるほど。だから集積地さんはジャージを脱ごうとしているのか。ファスナーを完全に開き肩を出したところで、司令官さんがそれを制止していた。

「いや、それは上げるよ。うちに来た記念に持って帰ってよ」
「……いいのか?」
「お前さんも、せっかく電が作った名札がついたジャージだから愛着あるだろう?」
「……そうだな。ありがとう」
「あと天龍が子鬼に進呈した眼帯もそのまま持ってていいから。取り上げちゃったらかわいそうだ」
「じーん……提督ー。お前、イイ奴だったんだなぁ……」
「取り上げちゃうと、うちの天龍が泣いちゃうからな」
「前言撤回だ。お前、あとではっ倒してやる」
「あら怖い」

 改めてジャージのファスナーを上げた集積地さんの左胸には、以前に私がつけた『しゅうせきち』という名前の名札が輝いていた。時計を見る。あと1時間もない。

「んじゃ、出発までは自由時間ってことで。お前さんたちは間宮でも行ってクリームあんみつでも食べといで。10時には出発出来るように、準備だけは進めておきなよ」

 と司令官さんは、私たちに間宮さんのチケットをくれた。私たちはそれに素直に従い、3人で間宮さんでクリームあんみつをいただくことにした。

「ちなみに赤城さんと子鬼さんたちはまだなのです?」
「そろそろ食堂で朝ごはん食べてるんじゃない? 知らんけど」

 先に集積地さんの出発準備を済ませ、そのまま間宮さんで3人でクリームあんみつを食べる。司令官さんが事前に連絡をくれていたようで、司令官さんのおごりでクリームあんみつにサービスで抹茶アイスが乗せられていた。それを一口食べた集積地さんは、

「もっと早く食べたかったなぁー……」

 とぶつくさ言いながら美味しそうに食べていた。

「また食べにくればいいのです!」
「そうだぜー。資材貯蔵庫もそのままにしてあるんだ。いつでも来りゃいいじゃねーか」
「来れるかどうかは分からないが……そうしようか。次に来た時は毎日食べよう」
「間宮さん大喜びなのです!!」

 最後の間宮さんを堪能し終わったあと、時間的にちょうどよい頃合いになったので、そのまま出撃ドックに向かう。

「集積地さん」
「ん?」
「ん!」
「ぁあ」

 もちろん、手を繋いで。今度は集積地さんより早く催促することが出来た。

「お前ら、ホントに仲いいのな」
「「
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