暁 〜小説投稿サイト〜
テキはトモダチ
13. 友達が帰る日(前) 〜電〜
[4/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
そろそろ食べよう。

「「いただきます!」」

 二人で息ぴったりに両手をパシンと合わせた後、私はお味噌汁を一口いただく。鳳翔さんの優しいお味噌汁の味が口いっぱいに広がって、それだけでまたおなかがすいてきた。

 集積地さんは……やっぱり最初にお味噌汁を飲んでいた。やっぱり鳳翔さんが作った朝ごはんの一口目はお味噌汁が一番いい。

「だな。同感だ」
「集積地さんもそう思うのです?」
「思う。ホウショウの料理の中では味噌汁が一番好きだ」
「電も大好きなのです!」
「あー! 二人だけでご飯食べてるクマ!!」
「おいお前ら! ずりーぞ! 俺達も誘えよ!!」

 静かにお味噌汁を堪能していると、食堂の入り口の方が賑やかになった。球磨さんと天龍さんの二人が朝ごはんを食べに来たらしい。二人は私たちを見つけるなり大声でこちらに呼びかけ……

「お、おはようなのです!」
「こっちにこい。みんなで食べよう」

 鳳翔さんから朝ごはんを受け取った後私たちのテーブルについた。天龍さんはお誕生日席ではなく私の隣りに座り、球磨さんは集積地さんの隣に座っていた。球磨さんが隣に座った途端に集積地さんは『いたっ』と言っていたから、ひょっとするとアホ毛が刺さっていたかも知れない。私が見てないところで。

「いや、それはないだろ電……」
「人の心を読まないでほしいのです……」
「いや実際刺さってたぞイナズマ」
「集積地さんも!?」
「球磨のアホ毛をなめちゃだめクマ」
「球磨さんもなのです!?」

 天龍さんと球磨さん。とてもにぎやかな二人が合流しただけで賑やかで華やいだ食事になった。静かに食べるのもいいけれど、みんなでワイワイ言いながら食べるのも楽しいな。

 でも今日だけは、少しだけしんみりとしてるけど。

「そういや最近、集積地と子鬼たちが一緒にいるとこ見ねーな。もっきゅもっきゅ」
「アカギと一緒にいるな。昨晩はアカギと一緒に寝たはずだ。最後だしな」
「そっか……ずずっ」
「まぁ一航戦の仲間みたいなもんだから仕方ないクマ。集積地にとっての電みたいなもんだクマねぇ。もっきゅもっきゅ……」
「だな」

 子鬼さんたちは、最近は赤城さんとよく一緒にいるようだったのは聞いていたけど、そこまで仲良くなったんだなぁ……。

「だけどさー。今日帰っちまうのかー……つまんねーなー……」
「ありがとう。私もここまでお前たちと仲よくなれるとは思ってなかったよ」
「ここの一員みたいなもんだから、いなくなると寂しくなるクマねぇ」
「そう言ってくれると私も嬉しい。来た甲斐があったよ」
「電のおかげだクマ。帰るときにちゃんとお礼言っとくクマよ?」
「ああ」

 ちょっとしんみりだけどにぎやかな朝食を済ませた後は、集積地さんの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ