468部分:第六十五話 魔性の杖その七
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士達がいる」
「あの者達がか」
「いるというのか」
「あの時と同じだ」
それは同じだというのだった。声の中の一人がだ。
「全て揃っている」
「では教皇もまた」
「あの者か」
「そうだ、あの者だ」
彼だというのであった。彼等は。
「あの者があの時と同じくだ」
「ふふふ、面白い」
「全てはあの時と同じか」
「ならば次こそはだ」
声達はその言葉を受けてだった。明らかに笑った。血に塗れた含み笑いであった。
「あの者達を一人残らず」
「倒してみせよう」
「教皇」
シオンのことであるのは言うまでもない。
「あの者もだ」
「今度こそな」
「そうだ、今度こそだ」
声にさらなる憎しみが宿っていた。まるで燃え上がるような。
「倒してやろうぞ」
「流血の中に沈めてやろう」
「己の血でな」
闇の中で言い合う彼等であった。それは怒りではなく哄笑であった。その言葉を闇の中で出していたのであった。
第六十五話 完
2009・10・30
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