第一幕その四
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「先生ことなんだよね」
「テレビや新聞の嘘はわかるよ」
先生のお言葉です。
「事実と違うことを言っているならね」
「先生の場合はそうだよね」
「僕の場合はなんだ」
「先生は学問のことならわかるんだ」
「嘘かどうか」
「けれど世の中のことはね」
そうしたことにまつわる嘘はというのです。
「わからないというか世間知らずだから」
「それでなんだ」
「そう、普通にね」
それこそと言うのでした。
「騙されるよ」
「言われてみると僕もそう思うよ」
「うん、先生は世事に疎いから」
「騙されるんだね」
「だから気をつけてね」
王子もくれぐれもと言うのでした。
「いいね」
「そうするね」
「僕からもお願いするよ、ただ」
「ただ?」
「先生今度は沖縄に行くんだね」
このことについてです、王子は先生にあらためて尋ねました。
「そうだよね」
「うん、そうだよ」
「沖縄ね」
「あそこは前にも行ったことがあるけれど」
「いいところだおね」
「暑くてね」
「日本だけれどね」
「南国でね」
それでというのです。
「夏の気候も楽しめるよ」
「そうだよね」
「海も奇麗でね」
「じゃあ水泳も楽しめるね」
「そうだね、ただね」
「先生の場合は」
「うん、僕は水泳はね」
それは、なのでした。先生は。
「しないからね」
「スポーツ自体がだからね」
「沖縄にいてもね」
それでもというのです。
「それはないよ」
「そうだよね、残念だね」
「うん、興味がないからね」
最初からというのです。
「スポーツはね」
「先生はそういう人だからね」
「大の苦手でね」
このこともあります、先生には。
「どうしてもね」
「しないよね」
「うん、他のことをしているよ」
「沖縄に行って」
「観光地を回ったりね」
「美味しいものを食べて」
「そう、それがいいんだよね」
沖縄の美味しいものについてすぐに答えた先生でした。
「沖縄はね」
「色々あるよね、沖縄も」
「そーきそばや足てびちとかね」
「ミミガーもあるね」
「あとステーキもね」
このお料理もというのです。
「安くてね」
「しかもだよね」
「美味しいから」
だからというのです。
「そうしたものを楽しんでるよ」
「沖縄では」
「ウナギも食べるし」
「ああ、エラブウナギ」
「それだよ」
ウナギはウナギでもです。
「それも食べてるよ、蝉もね」
「先生も色々食べてるよね」
「色々食べてこそだからね」
「文化を理解することだね」
「そう、食文化も文化だよ」
そちらもというのです。
「だからね」
「食べてだよね」
「理解しているんだ」
「それもフィールドワークかな」
「うん、歩
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