第一幕その三
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「そうなんだ」
「変な人には注意しないとね」
「何もわかっていない人も問題だけれど」
「わかっていて騙しにかかる人はね」
「一番注意しないといけないよ」
それこそというのです。
「残念だけれどね」
「世の中そうした人もいるってことだね」
「そうなんだよね」
「先生はね」
ここで動物達も言います、今も先生の周りにいます。
「結構騙されやすいんだよね」
「世間知らずなところがあって人がいいから」
「それも凄くね」
「だから先生がそう言ってもね」
「他ならぬ先生自身がなんだよね」
「騙されやすくて」
「僕達もいつも心配しているんだよね」
こう口々に言うのでした。
「この前だってね」
「そうそう、変なセールスマンが来てね」
ジップとチーチーがお話します。
「変なの買わされそうになってね」
「僕達がトミーを呼んで帰ってもらったんだよね」
「あれセールスマンだったの?」
疑問符を出したのはダブダブでした。
「何か風呂敷から色々出してきたけれど」
「あれが押し売りじゃないの?」
「日本にいるっていう」
トートーとホワイティは噂でそうした人達のことを聞いています。
「無理にものを買わせる」
「そうした人がいるっていうけれどね」
「あれっ、そうした人まだいるの?」
老馬は押し売りという人達自体についての存在を疑っています。
「もういないって聞いたけれど」
「というか大昔よね」
「もう何十年も前の」
チープサイドの家族も言います。
「そうした人達って」
「もうね」
「まだいるとはね」
「思えないけれど」
オシツオサレツも二つの頭で言うのでした。
「先生が読んでた日本の昔の漫画では出て来たけれど」
「買うまで帰らないっていうね」
「あの人は何かね」
ガブガブも言います。
「親が奥さんが子供かって泣いてたけれど」
「それ泣き落とし芸だね」
これまでお話を聞いていた王子はこう断言しました。
「間違いなく」
「先生それに騙されそうになったのよ」
「結構あからさまな騙し芸に」
「泣き落としにね」
「ついついものを買いそうになったのよ」
「お話を聞いてたら可哀想だって思ってね」
先生のお言葉です。
「お話を聞いていて」
「こうした人だからね」
「僕達がいないとね」
「簡単に騙されるから」
「いつも一緒にいないとね」
「心配だよ」
「そうだね、僕もね」
また言った先生でした。
「先生は簡単に騙される人だと思うから」
「心配だよね」
「どうしても」
「騙されないか」
「そうならないか」
「そう思うよ、僕に教えてくれたけれど」
世の中最初から騙そうとしてくる人がいることについてはです。
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