一話 士郎、異世界に立つ?
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ない?
足だけじゃない、身体全体が重い?
「ほんのちょっぴり君のゲートに干渉し過ぎたからね。少しの間、身体の五感に異常をきたすと思うけど大丈夫。すぐに治るよ、多分ね」
「おい、最後の方にさらっと怖いこと言うな!」
「大丈夫、大丈夫だよ。
長くて数年、短くて数分だから」
「長くて数年って長すぎだろ!?
って、短くて数分ってどんだけ時間差あんだよ!」
「こればっかりは人によるんだよね。ほら、薬の効き目とか人によって違うよね。すぐに効果の出る人もいれば効くまでに時間の掛かる人もいる。これもそれと同じ現象だよ」
そんなアバウトな説明されても……。
いうことのきかない身体を力を入れても反応は鈍い。だが、さっきよりは楽になった。
「お、治ってきたね」
「あと、もうちょいで立てそう……な、気がする」
「頑張ってシロウ、頑張れ頑張れシロウっ」
エミリアの声援で元気になりもうした。
ウォォォォォォセイバーッ!
ふらふらと産まれたての小鹿のようにシロウは立ち上がった。
「おぉ、頑張ったね」
「頑張ったね、じゃねぇよ。
立ってるだけで精一杯なんですよ」
「大丈夫?
私の肩使う?」
今にも倒れそうな俺の身体をエミリアは優しく支えてくれた。
うぅ、優しさが染みるです。
肩を借りようと手を伸ばそうとしたその時。
「男の子なんだからこれくらい大丈夫だよ。それとリア、そんな易々と人に肌を触らせるものではないよ。特に年頃の男の子にはね」
いつの間に移動したのか、パックはエミリアの肩の上に居た。「ここは僕の定位置だよ」と言わんばかりの視線に士郎は手を引き、壁に手を伸ばす。
「困ってる人を助けるなら問題ないと思うんだけど」
「それはそれ、これはこれ。
君は優しすぎるんだよ」
「別に、そんな事はないと思うけど」
「なんにせよ、僕の目が黒いうちはリアにはなんびとたりとも触れさせないよ。あ、女の子は可ね」
などと抜かしやがる小悪子猫。
だが、一理あるな。エミリアは年頃の女の子なんだ、そんなみだりに肌を触れされるのはちょっとどうかと思う。
「エミリア、俺は大丈夫だ
ほ、ほっほらぁ……なんとか、じゃなくて……立てたよ」
無理矢理スタンドアップ。
よ、余裕っすよ……っと笑顔を作り、てこてこと歩き始める。
「ステップも、ほれこの通り」
「でも、シロウ。物凄くふらふらしてるけど」
「そ、そんな事はないですよ。
ジャンプだってほらっ」
約20cm程ジャンプする士郎。
動け、動けと命じても身体は言う事を聞いてくれず。気分の悪さは無くなっても五感の調子は戻らない。パック曰く、すぐに治るよって言ってたけどあんなアバウトな説明されると余計、不安になるん
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