一話 士郎、異世界に立つ?
[8/11]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
世界だともしかしたら違うかも知れない。
なんでも俺は剣に愛されているらしい。
だから剣を投影する才能に関してはピカイチと称された程だ。
まぁ、俺の投影魔術で一番上手く投影出来るのは剣だから。遠坂の言う通り俺の属性は剣で俺は剣に愛されているのだろうと改めて再確認させられる。
「よし、じゃあ少し頭の上をお邪魔するよ」
そう言ってパックは俺の頭の上に飛び移った。
「じゃあ、一度深呼吸をしようか」
「あぁ……ふー、すーぅ」
息を吸って吐いて、息を吸って吐いて。
「もう、いいよ。ちょっと君のゲートを覗かせてもらうから少し、気持ち悪いかも知れないけど我慢してね」
直後、俺の中の何かに何が触れた気がした。
これは……俺の魔術回路に直接、手を当ててるみたいだ。
撫でるように、擽られるようにその感触は続く。
「うーん、ちょっと君のゲートは複雑だね。まるで糸の繋ぎ目を何重にも掛け合わせたみたいだ」
「……それって、凄いの?」
「凄い、うーん……褒めるような事でもないんだけどこれだけ複雑だと難易度の高い魔法でも使えるんじゃないかな?」
「最後の、疑問形は、気になるんですけど」
「あんまり無理して喋んない方がいいと思うよ。今は落ち着いて……もうちょっとで終わるからもう少し我慢してね」
「結構、時間掛かってるわね。
普通ならすぐ終わるのに」
「普段なら、そうなんだけどね。
ゲートって例えるなら一つの穴なんだけどシロウの場合、穴であるはずのゲートが何重にも重なってるんだよ」
「それって、珍しいの?」
エミリアは疑問を浮かべ、俺の頭の上で寝転がっているパックに質問する。
「珍しい分類には入ると思うけどシロウのゲートの大き自体はそれほどでもないんだ。小さなゲートを重ねた集合体ってだけでそんなに希少価値はないよ。まぁ、珍しいって言えば珍しんだけどさ」
「なんでそんなに複雑なの?」
「それを今から調べようと思ったんだけど。このまま続けてるとシロウが死んじゃいそうだ」
「ちょ、シロウ!」
ふらふらと身を震わせる士郎。
そして壁にもたれかかり、「へ、Help me……」と言って座り込んだ。
「何を言ったかは解らないけど助けてってことよね。まかせて、」
エミリアは士郎の肩に触れ、目を閉じる。
そしてブツブツと小声で何かを言ったあと先程までだるだるだった士郎の身体に生気が蘇った。
「あれ……」
「良かった、大丈夫そうね」
そう言って俺の背中を撫でるエミリア。
「少しやり過ぎちゃったみたいだね、ごめん」
俺の頭をぺしぺしと優しく叩く感触。謝罪と可愛さのハーモニーで誤魔化そうとしてませんかね、パックさん。
「んっ、立ち上がれない……」
足に力が……入ら
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ