一話 士郎、異世界に立つ?
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かれるけど。それは逆も然りで、俺を見る人の視線も見慣れぬ珍しい服装と思われているのだろう。
土地勘のない道を歩いても何処を歩いてるかなんて解らない。
このままだとジリ貧だ。
こういう時はどうすればいい?
今の状況はどうやって打開すればいい?
うーん……っと悩んでいると。
「貴方……こんな所で何をしているの?」
背後から、裏路地の方からだ。
明らかに自分に対しての言葉だろうと士郎は振り返る。
そこには女の子が立っていた。
白色のローブで身を包み、フードのせいで顔はよく見えない。それでも女の子と判断できたのは立ち振る舞いと雰囲気だろう。
「何をしてる……途方に暮れてます」
「途方に暮れてますって何か困ってるの?」
「話すと長くなる、いや。そんなに長くはないかな。買物帰りで家の玄関の扉を開けようとしたらいきなりこんな所に居て、色んな所を歩き回ってその度に色んな人から変な服装って言われるし。休憩しようと裏路地に入ったら変な奴らに絡まれるし……」
「絡まれるって……貴方は無事なの?」
「無事だよ、なんか勝手に逃げてった」
まぁ、一言忠告したら逃げて行ったんだけどね。
「なんだ、ちょっと損した気分」
「なんでさ?」
「なんでさ?……なんだろ、その言葉ちょっといい」
「いや、なんでさ」
「ちょっとね、いきなり男の人達が全速力で走ってくるから何事なのかなぁって思って」
「なるほど。で、興味本位でやって来たと。女の子一人でこんな薄暗い道を歩くのはお兄さん関心しないな」
何かあったらどうするんだっと思った矢先。
「大丈夫だよ、エミリアには僕が居るから」
その声は女の子の声では無かった。
何処から……と辺りを見渡すと女の子のフードが、もぞもぞと動いた。
にょきっと顔を出してきたのは小さな、小さな猫だった。 生後二ヶ月位の猫は女の子の肩まで歩み寄り座り込むと。
「君こそ、こんな所に一人で居るのはお兄さん関心しないな」
────え?
「ちょっとパック、いきなり出てくるからこの人、驚いてるじゃない」
「へへ、ちょっと驚かせようと思ってね」
────うん?猫さん、喋っておらっしゃる?
「あれ、そんなに驚かせちゃったかな?彼、さっきから無言なんだけど」
────猫が、喋ってる。
あははははっ。これはロマンチックな夢だな。さっさと起きて昼飯の準備に取り掛かろっと。
「大丈夫?
もしかして怪我してる?」
少女は心配そうに駆け寄ってくる。
いい、匂いだ。
甘い……ひたすらに甘そうな香りを漂わせた少女は士郎の周囲をぐるぐると回る。な、なんか恥ずかしい。
ここに来てから色んな人たちに見られてるけどこんなマジマジと見られるのは別の意味
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