一話 士郎、異世界に立つ?
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込み。
衛宮 士郎は演唱する。
「────トレース・オン」
言い終えると同時に投影は完了した。
うん、いい出来だ。数度、刀を握り触感を確かめる。聖杯戦争終結後も魔術の鍛錬は続けてたけど投影魔術はサボってたんだよな。それでも握られた刀の感触はあの時と変わらない。腕は鈍ってなさそうだ。
「……てめぇ、なんで笑ってんだ?」
男は俺の顔を見てそう言った。
笑ってる? この状況で?
「おい、コイツ!?」
男の一人が士郎の握っている剣の存在に気付き。襟元を掴んでいた男は咄嗟に手を離し距離を取る。
「コイツ、いつの間に!
てか、どこに隠し持ってたんだ!?」
驚きを隠せない男達。
ジリジリと後退して行く。
「逃げるなら今の内だと思うけど?」
一応、忠告はしておく。
見る限り、実力の差は歴然だ。士郎自身、あちらが引けば見逃すつもりだ。だが、もし危害を加えるのなら少し痛い目をみてもらうけど。それは正当防衛って事でいいよね。
「へッ、コッチは三人。お前は一人、数なら勝ってんだよ!」
「お前こそ降参するなら今の内だぜ」
「俺達ぁ、ここらでは結構有名なんだぜ?」
なんてほざいてるけど奴さん達は一向に動かない。それどころかどんどん離れていく。一歩、また一歩と後ろに後退していく。
「お、ぉぉ。そういや、そろそろあれじゃあねぇか?」
「?……ぉお、そうだな」
「あ、あぁあ。そうだな、こりゃもう時間だな!」
そう言って男達は背中を向け。
「こ、今回は見逃してやるぜ!」
「次、会ったときは覚悟しやがれ!」
「ちょ、置いてかないでッ!」
男達は去っていった。
最後のは負け犬の遠吠えってやつかな……?
一瞬、青ワカメの顔が脳裏に浮かんできたけどこれは気のせいだろう。なんか似てたんだよな、後ろ姿とか仕草とかさ。
「さて、どうするかな」
落としていた買物袋を手に取り、中身を確認する。……中身は大丈夫そうだ。
さて、一旦ここら辺から離れよう。
またさっきみたいに絡まれるのも面倒だし人混みの中に紛れるのが一番かな。
「でも、俺の服装……なんか目立ってるんだよな」
街中を歩くだけで注目されるなんて初めてだ。結構、恥ずかしい……俺ってそんなに変な服装なのか?と思ってしまう。俺から見ればアナタ達の方が変な服装ですからね!?と心の奥底で呟くけど心の声なんて自分にしか聞こえないからますます虚しくなる。
「結局、ここは何処なんだ……?」
裏路地の先、そこから見える景色は異様だった。
まず、ここは日本じゃない。
日本固有のそれも無ければ日本人も見当たらない。建物も洋風……に近いけど近代的では無かった。
見慣れぬ文字に初めて見るものばかりで目を惹
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