暁 〜小説投稿サイト〜
どうやら俺は二次元の世界に迷い込んでしまったらしい?いえ、これは現実ですよ夕練さん!
はい、これは夢ですね。解ります。
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のポスターも貼りたいけどアニメ好きは別れるからな……。
アニメを生理的に受付ない友人もいるからアニメ関連の物は押し入れに収納し、アニメ好きの友人が遊びに来る時は俺のコレクションとして表に出し、公表している。世の中、全ての人がアニメ好きになればいいのに。
そうすればこの部屋も、俺の趣味全開のthe俺ワールドに改築するのにさ。
ベッドに座り込み、バックから借りている漫画を数冊取り出す。
先日から借りてる漫画なんだけど、これが無茶苦茶面白い。
原作はラノベらしいけど、全部読み終えたらその原作のラノベも買おうと思った程だ。明日、バイト給料も入るし全巻まとめ買いしちゃおうかな。
「漫画と言えば……そういや、俺って一ノ瀬さんと────」
付き合ってるん……だよな。
二次元の様な衝撃的告白、断れる訳もなくOKしてしまったけど。
「明日からどんな顔して合えばいんだよ……」
会話すら今日、初めてだったのにステップ踏むの早すぎるよ、一ノ瀬さん。
普通、こうゆうのは段階を踏んでからだね……いや、あの人に言っても無駄だろうけど。
OKしちゃった俺も俺だけど、明日からどうやって接すればいいのか?
今日みたいに話せばいいのかな?
う、うーむ……今までの女の子とはベクトルの違う、一ノ瀬とはどうやって仲良くなれるのか? 俺の頭はそんな事でいっぱいになってしまった。
漫画の内容が、頭に入らない。
さっきまで面白可笑しく、漫画を読んでたのに……。
「落ち着け、落ち着け、俺」
告白されてテンション上がってるのか?
いや、そうだろうけど落ち着け。
一ノ瀬の彼氏に成ったかも知れないけど落ち着け。
電撃告白で恋人成立したけど俺は一ノ瀬の事を何も知らない。一ノ瀬は俺の事を知っているかも知れないけど俺は一ノ瀬の事なんて1mmも解らない。
そして……俺は一ノ瀬の事が、好きなのかさえ。今の俺には解らなかった。
悩んで当然、と考えるけど悩んで考えて結果の出る事ほど現在の案件は甘くない。
付き合い始めたら好きになるさ。
って言ってた奴の言葉を思い出す。
確かに、そうかも知れない。
そうなのかも知れない……だが、それで好きになれなかったらどうすせばいいのだろう?
ネガティブ思考かと思われるかもだけど、俺はそれ位、悩んでいるんだ。
「んぁっ……」
読む気、失せた。
机の上に置いていた栞を取って今、読み中の漫画のページに挟む。明日までに返さないとだけど今は時間を置かないと読める気がしない。
「夕練ー、ご飯出来たわよー」
母さんの声だ。
悩んでも仕方ない、飯でも食って頭を休ませよう。違う事を考えれば少しは気も楽になるだろうし。
「あいよー」
制服を脱ぎ、普段着に着替える。
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