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どうやら俺は二次元の世界に迷い込んでしまったらしい?いえ、これは現実ですよ夕練さん!
はい、これは夢ですね。解ります。
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─────」
 笑っていた。
 その微笑みはラインの友達が増えて喜んでるのか、それとも好きな人のラインを登録できて喜んでるか、どちらかと思うけど多分、後者だと思う。
 いや、そう信じたい。
 「そう言えば一ノ瀬さんの家ってどこ?」
 「もうすぐ着きます。ほら、見えてきましたよ」
 そう言って一ノ瀬は指を指す。
 その先にはここらで一番、値の張る高級マンションが。
 「ここです」
 「ここって……結構、お高いマンションだよね」
 「そんなに高くはありませんよ。月の家賃は20万円程度ですし」
 いや、それ十分高いから。
 そしてそれを高くないと言った一ノ瀬は相当なお金持ちなのだろう。
 他のマンションと比べてひときわ大きくてオシャレな外装。中に入った事はないけど、こんな立派なマンションだ。さぞ、中も凄いんだろうな。
 朝、通学する時によく、この高級マンションの前を通るけど。まさか、こんな所に一ノ瀬が住んでたなんて思いもしなかった。
 そしてよく考えると。
 ここは『彼女』の住む家……ここが俺の彼女の家…………。圧倒的、格差を感じながらも動揺はしない。
 だが、改めて考えさせられた。
 一体、一ノ瀬は俺のどこが好きなのだろう? そして何故、俺を好きになったんだろ? 尽きぬ疑問に頭を悩ませされる。
 「解らん、全然、解らん」
 「何がですか?」
 「いや、こっちの話」
 今、ここで一ノ瀬に真意を問えばこんな悩みなんてすぐに解消されるんだろうけど。俺は怖くて聞け出せなかった。
 こんな展開は普通ありえない。
 だが、これは現に俺の目の前で起こっている。
 否定したくても、目の前で起きていてそれを体験しているんだから何とも言えない。それに一ノ瀬は俺の事を好きです、と言ってくれたんだ。今、起きている事を否定するのは一ノ瀬に失礼だ。
 でも、いきなり過ぎて現実味がない。もしかしてこれは夢なんじゃないかな? と今でも思っている。
 と、そんな事を考えているうちに一ノ瀬の住む高級マンションの前に着いてしまった。
 やっぱ何度、見てもデケェな〜。
 普段、この道を通る時に目に入るけどそんな意識して見てなかったから。今は余計に大きく見える。
 さて、これからどうする?
 まだ、話したい事はあるけど一ノ瀬の家の前まで来ちゃったし。ここは帰るかな……。うむ、それがいい。
 今日は帰って明日……待て、明日は土曜日やんけ。それなら家に帰ってからラインで聞いてみよう。
 「じゃぁ、俺は帰るよ」
 「はい、ですが」
 「うん?」
 口籠もる一ノ瀬。
 無表情で何を考えてるのは分かりにくいけど、やっぱり一ノ瀬は可愛かった。
 笑ったら更に可愛いんだろうな。
 「その……」
 「どったの?」
 「その、ですね……」

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