暁 〜小説投稿サイト〜
どうやら俺は二次元の世界に迷い込んでしまったらしい?いえ、これは現実ですよ夕練さん!
はい、これは夢ですね。解ります。
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の言葉。
────好きです。
頭から離れない。
頭の中をずっと駆け回っている、電柱に頭をぶつけても。地面のコンクリートに頭を叩き付けても。全力疾走で川に飛び込み、平泳ぎをしながら九九を唱えても。川の中央でコスモを高め廬山昇龍覇を繰り出しても頭の中は真っ白色シンフォニー────いや、頭クラクラマインクラフトだった。
「先程から奇行を繰り返してますけど夕練さんの頭は正常ですか?」
「ぁあ……至って、正常、だよ」
うつ伏せになりながら息切れしながら言葉を返す。
駄目だ、いくら嘆いても叫んで喚こうとも、俺の思考回路は、あの甘美な一言に侵されていた。
ただ、一言。たった一言で、こんなに身体が熱くなるなんて……。
「大丈夫、ですか?」
そして天使は俺に手を差し出す。
なんて、綺麗な手なのだう。
白くて……ただ美しいの一言で終わらせるには勿体ない手だ。
そんな手に触れるのに俺は躊躇してしまう。俺も手をそっと、そっと伸ばすけどあと少しの所で手を止めてしまった。
中学生の頃を思い出す。
思春期真っ盛りの年頃の少年達咲き誇る前の少女達に触れる事を恐れた。
男なら分かる、解るだろ?
小さかったあの頃を思い返せば、なんであんなに怖がってたんだろ? と思うけど今なら解る。俺は、俺達は怖がってたんじゃない。
ただ、綺麗だから。
綺麗だから触れなかったんだ。
綺麗過ぎて触れられなかった……今なら解るよ、中学生の頃の俺。これは触れられない、触れたら駄目だ。
俺は自力で立とうと手を下げる。
その時────。
俺の手は触れていた。
「立てますか?」
その綺麗過ぎる手で。
一ノ瀬は俺の手を握り、力を込めて俺を引っ張る。なんて非力なのだろう。そして、なんでこんなに────綺麗なのだろう。
夕暮れと重なり、俺の目には一ノ瀬が天使に見えていた。
見惚れてしまっていた。
「うんしょ、うんしょ、」
非力な一ノ瀬の握力と引っ張り、それと掛け声。これでは俺を立ち上がれるのは無理だろう。俺は一ノ瀬の手を離し、立ち上がった。
「怪我はありませんか?」
「大丈夫、なんともないよ」
「見る限り、そうですね。
地面やコンクリートに頭を叩き付ける所を見て末期と思いましたけど」
「俺、病気じゃないからね!?」
「あと、急に川に飛び込んで平泳ぎを始めたり。川の中央で廬山昇龍覇と叫んだのは────」
「それ以上、聞かないで下さい。
お願いします」
深々と頭を下げ、一ノ瀬の口を塞ぐ。
「了解しました」
すると一ノ瀬は鞄から携帯を取り出し。
「夕練さんのメールアドレスを教えて頂けませんか?」
話題が、急に変わった。
そんなあっさり話題を変えるなんて思わなかっ
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