暁 〜小説投稿サイト〜
どうやら俺は二次元の世界に迷い込んでしまったらしい?いえ、これは現実ですよ夕練さん!
はい、これは夢ですね。解ります。
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砕けた。
「あ、ぁぁ……こちらこそ」
身体の熱は冷めない。
なのに不思議と喉は乾いていない。
空回りしていた思考も通常通りに動いている。何故、こうなったのかは未だに解らない。余りに突然過ぎて俺のキャパシティを軽く超えちていた。
そりゃ、告白してきたってことは俺の事が……好きって事なんだろけど。
実感が湧かなかった。
俺と一ノ瀬との接点は無いに等しい。同じクラスメイトで何回かすれ違う程度の関係で会話した事すら無かった。
それなのに俺の事を好きになるってのはちょっと……どうだろう?
「一ノ瀬さん」
「話は帰りながらしましょう。
そろそろ下校時刻です、それにここでする様な話でもなさそうですから」
そう言って白色の長髪を揺らしながら一ノ瀬は去っていった。
俺はその後を追い掛け、少し距離を置いて。
あ、あのー……俺達って付き合い始めたんだよね? 俺って貴女に告られたんですよね? なんか不安になってくるんですけど。
いや、その俺だって今年で17だし女の子とも付き合った事くらいある。なんだけどこのケースは未知数だ。
あっちから告ってきたのに何も動きはねぇってどういうことだ?
なんで俺に告白してきた?
俺の事が好きだから? なんで好きになった? 慣れ親しんだ覚えはない。なら、一目惚れ?
俺みたいな奴に?
平均的な容姿に平均的な体格、それ以外に目立った特徴も特技も持ち合わせていない俺みたいな人間に一目惚れって……ないな。
本人に聞くのが一番早いんだろうけど、どうも話しにくい。色んな女の子と遊んだり騒いだり話したりしてきたけどあの娘はイレギュラー、今まで経験してきた知識に該当しない未知の女の子だ。
何を話せばいいのか、どう話せばいいのか検討すら付かない。
「崩練 夕練さん」
「は、はいです!」
いきなりフルネームで呼ばれて反射的に変な声、出しちまった。
てか、初めて名前を呼ばれた。
「何か、私に質問することがあったのではないですか?」
「え……あっ、うん」
「夕練さんのご自宅はどちらですか?」
「この道を真っ直ぐ行けば大通りに出るだろ、そんで途中の商店街前で曲がってすぐに俺ん家だ」
「ふむ、私の家の近くですね」
「へぇ、俺ん家の近くって事は一ノ瀬ってアパート住み?」
「えぇ……よく解りましたね」
「なんでか解んないけど俺ん家の周りってアパートばっかなんだよな」
「アパートばかり……なるほど、あれは貴方のご自宅だったんですね」
「知ってるの?」
「知ってますとも、あれだけ目立った所にあるのですから。
まさか、夕練さんのご自宅とは思いませんでしたが」
確かに俺の家は目立つ所に建っている。ここら一帯はマンション街で見渡す限りアパー
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