暁 〜小説投稿サイト〜
どうやら俺は二次元の世界に迷い込んでしまったらしい?いえ、これは現実ですよ夕練さん!
はい、これは夢ですね。解ります。
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 まぁ、普通の学生なら今頃まだ寝てるんだろうけど。
 俺だって今日の予定が無ければ寝てる時間帯だ。こんなに早く起きて、遊びに行くなんて久しぶりだよ。
 金曜日の夜は遅寝、遅起きの怠惰な一日と決めてるんだけどなぁ。
 学生のうちにしか出来ない事は目一杯するべきだ、と大人達は言う。俺もその通りだと思う、大人とは意見が合わない事が大半だけどほんの少しは子供の気持ちを知っている、覚えているのだろう。
 
 などと考え事をしていると時刻は約束の10時になっていた。
 そろそろ来ると思うんだけど、一ノ瀬の姿は見えない。ラインを見ても返事はきてないし、案外寝坊しちゃったんじゃないかな。
 どんな優等生でも寝坊くらいするだろ。
 気長に待とう、壁にもたれかかろうとしたその時だった。
 
 「────お待たせしました」
 
 少女はやって来た。
 少し長めのスカートを靡かせ、早歩きで。
 「遅れてしまって申し訳ありません……寝坊してしまいました」
 ペコリと頭を下げる一ノ瀬。
 「大丈夫、そんなに遅れてないよ。時間も、ほら10時ぴったり」
 「ちょうど10時1分になりました」
 おい、俺のスマホ時計空気読めよ。
 「夕練さんはいつからここに居たんですか?」
 「ん、あぁ、30分前には居たと思う」
 「すみません」
 再度、頭を下げる一ノ瀬さん。
 「いやいや、こういうのはね。男が先に来てから女の子を待つのがセオリーなんだよ。だから一ノ瀬さんは少し遅れた程度でもノープロブレム 。むしろ男の子の俺にとってはご褒美みたいなもんでっせ」
 「遅れて、来るのが……ご褒美?」
 「おうよ。だから一ノ瀬さんが謝る必要なんてないんだぜ」
 「解りました……では、今度からはわざと遅れるようにします」
 「い、言っておくけど少し。
 ほんの少しだからね」
 「はい、解りました」
 なんて従順な娘なんだろう。
 今時、こんな素直な娘なんて居るのかしら? あ、目の前に居ました。
 それにしても一ノ瀬の服……綺麗だな。綺麗さと可愛さ両方を持ち合わせた衣服だ。俺好みの少し長めのスカートにカーディガン、その下はピンク色ワイシャツと普通の女の子そうな、お洒落な女の子のしそうなお服装だった。
 「似合ってるな、その服」
 女の子は細かい所にお金を掛ける生き物だ。それが些細な変化でも、それが変化なら褒める。それに今の一ノ瀬の服装は一ノ瀬に合っている。これを見て褒めない男はいないだろう。
 「ありがとう、ございます」
 若干、頬を染め、下を向く一ノ瀬。
 照れてるのか。そんな仕草もまた可愛らしい。
 「さて、これからだけど。一ノ瀬さんは何処に行きたい?」
 昨日の時点からカップルに人気のあるデートスポットは調べておいた。俺がスキンシ
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