暁 〜小説投稿サイト〜
どうやら俺は二次元の世界に迷い込んでしまったらしい?いえ、これは現実ですよ夕練さん!
はい、これは夢ですね。解ります。
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に入れ、部屋を出る。
 階段を降りて、洗面所の鏡の前で自分の顔をバチンッと叩き。
 「よっし、目ぇ覚めた」
 全て突然から始まった恋物語。
 突然の告白、そしてデート。
 俺の思考は追い付かない、追い付いていけない。
 でも、こんな破天荒な二日間は初めてだ。
 わくわくするし、これから始まる一ノ瀬との関係も、どうなるか解らない。でも、俺は楽しみで仕方いんだ。
 
 ────一ノ瀬に逢うのが。
 
 
 
 
 
 待ち合わせ場所に一ノ瀬が指定してきたのは駅前の噴水だった。
 土曜日の朝方は普段より静かで待ち合わせするならベストな選択と言えよう。家からもさほど離れてないし、チャリ置き場は無料で使えるなどなかなか気の利いた所だ。
 周辺は飲食店、スーパー等も揃っており。デートスポットとして有名だ。
 学校帰り、よく暇つぶしに通るんだけど。まさか、土日にここに来ることになろうとは予想外だった。
 以前、付き合っていた彼女とはここに来たことはない。前の彼女はちょっと変わった趣味の持ち主でそういう事に縁も縁もない……少し、残念な女の子だった。
 別れた理由も、音楽性の違いのようなもので。ものの弾みで別れました(笑)なんて笑われるのもしばしば。
 性格以外は完璧なんだけどな。
 あの性格さえ、無ければ今でも付き合ってたと思う。別れた事に未練はない。でも、当時の俺は落ち込んでたっけ。
 だが、今は違う。
 ある意味では前の彼女よりハチャメチャかも知れない彼女がいる。
 ────ドクン、ドクン。
 今から緊張してどうすんだ。
 本番はこれからだ、深呼吸して落ち着け。
 服装OK、髪型OK、財布OK。
 ワイシャツとGパン、ワイシャツの裾を折ってオシャレ感を醸し出しつつ、その上にベスト。自分でもなかなか良さげな格好だと自負している。
 髪型もお洒落と思われる程度にワックスで決めており。財布には諭吉さん二枚とフルアーマー装備ですよ。日本の風習、意味の解らない固定概「いや、分からなくもないけどさ」デートで金を出すのは男。
 これは基本そうだろう。
 女の子は色んな所で色々とするのに経費が掛かる。だが、男はそういう事がないので女の子に比べて経費が掛からない。うん、これは理不尽……だとは思ってるけど仕方ないとも思っている。
 うん、男女平等ってなんだろね。
 待ち合わせの時間まであと30分になった。
 ホント、テンプレだけど約束の時間の30分前に来てしまった。駅前の噴水付近に10時、集合って言ってたけど。まだ……来てみないみたいだ。
 流石に早く来すぎたかな。
 駅周辺は土曜日なのにスーツ姿で眠そうなサラリーマン達とこれから山登りにでも行くのだろうおじいちゃんとおばあちゃん。若者の姿は余り見られなかった。

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