暁 〜小説投稿サイト〜
どうやら俺は二次元の世界に迷い込んでしまったらしい?いえ、これは現実ですよ夕練さん!
はい、これは夢ですね。解ります。
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 「私と付き合って下さい」
 
 それは夕焼けに照らされる教室での一言。
 普段と変わらぬ日常、学校の授業を終え。放課後、教室で友人から借りていた漫画を読んでいたら読みふけてしまい。気付けば時間は4時半ちょっと、そろそろ帰ろうかと鞄に手を伸ばした────その瞬間。
 彼女はそこに居た。
 教室の中央で一人、背中を向けた一人の女の子。
 確か……うちのクラスの娘だったと思うけど余り話した事ないから記憶はあやふやで居たような居なかった様な。
 話しかけるべきか、素通りして教室を出るか。俺は苦渋の選択を強いられていた。いや、一言「さよなら」位は言うべきだと思うけど会話した事ない人からいきなり話し掛けられても迷惑だろうし。
 二択の選択から一つをチョイス。
 ……一言、さよならって言おう。
 なんでこんな事で悩んでるんだろう? 普通にさよならって言えば済む事じゃん? と思われるかも知れないけど最近の若者はその一言を躊躇するのですよ。大して親しくもないのに挨拶する必要あるの?
 有ります、大ありです。
 ですが、俺もその若者の一人なのでその一言を躊躇してしまう。
 そして俺はさり気なーく言ってさり気なーく去ろうとしたその時だった。
 少女は振り向き────そして。
 俺は人生で最初で最後の告白をされたのだ。
 
 
 
 
 ────落ち着け。
 ───落ち着け、俺。
 大丈夫、大丈夫……俺は至って正常だ。これは夢じゃない、現実、把握OK?
 「────あの」
 「はっ、はい」
 慌てて下を向き、両腕で顔を隠す。
 「なんで顔を隠すんですか?」
 「え、いや、」
 「私は見るに値しませんか?」
 「そ、そんな事ない!」
 「なら、何故?」
 その疑問と視線が痛い!
 普通は解るだろ、人生初の告られだよ? 動揺するに決まってるだろ!
 今、俺の顔は真っ赤かであろう。自分でも分かる、両手で触れてたら尚更だ。熱でもあるんじゃないかって位、俺の身体は熱かった。
 「?」
 少女は不思議そうな表情でコチラを見てくる。
 俺は少し、視線を上げ。
 俺は両腕のガードを少しずつ外していく。
 「やっと私を見てくれましたね」
 その女の子はやっぱりうちのクラスメイトだった。
 名前は知らな……忘れたけど休みがちでよく欠席する人って事で俺の脳内では定着している。確か……今日も休みだったと思うけど?
 「あの、その……名前なんだっけ?」
 「一ノ瀬 霞です。
 クラスメイトの名前を覚えてないんですか?」
 「ご、ごめん。
 その……一ノ瀬さんってよく休んでるじゃん? それで名前を度忘れしちゃって」
 そう、確かそんな名前だった。
 名前をきっかけに段々と思い出してきた。
 一ノ瀬 霞、う
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