怒りの眼
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だから――怯むな!!誰が相手でも、どんな状況でもだ!!」
ぽかんとするジェム。しかしすぐ後にこれはドラコなりの叱咤激励だと気づいた。ジェムは笑顔で礼を言う。なんだか久しぶりに笑えた気がした。
「ありがとう。でももう少し、優しい言い方をしてくれてもいいと思うわ」
「ふん、くだらん。上っ面の優しさに何の意味がある」
バッサリとした物言いだが、そこに棘はなかった。
「では私はポケモンを回復させてくる。……また戦う時を楽しみにしているぞ。ジェム・クオール」
ドラコはボーマンダを出し、その場から飛び去る。ジェムはそれを見届けていると、何もしていないのに疲れた様子でダイバが話しかけてくる。
「……終わった?」
「ええ、それと……やっぱり約束は守るわ。ちゃんと私、戦う」
「……はあ。わかったよ」
「……?なんで残念そうなの?」
「なんでもないよ」
ため息をつくダイバに首を傾げる。ダイバとしてはむしろ心が折れていた都合が良かったので、落胆していた。それには気づかず、ジェムは砕けかけた心を持ちなおし、次のバトルへと向かう――宝石は削られ研磨されて輝きを増すように、その瞳には活力が宿っていた。
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