暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
怒りの眼
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
だから――怯むな!!誰が相手でも、どんな状況でもだ!!」


 ぽかんとするジェム。しかしすぐ後にこれはドラコなりの叱咤激励だと気づいた。ジェムは笑顔で礼を言う。なんだか久しぶりに笑えた気がした。

「ありがとう。でももう少し、優しい言い方をしてくれてもいいと思うわ」
「ふん、くだらん。上っ面の優しさに何の意味がある」

 バッサリとした物言いだが、そこに棘はなかった。

「では私はポケモンを回復させてくる。……また戦う時を楽しみにしているぞ。ジェム・クオール」

 ドラコはボーマンダを出し、その場から飛び去る。ジェムはそれを見届けていると、何もしていないのに疲れた様子でダイバが話しかけてくる。

「……終わった?」
「ええ、それと……やっぱり約束は守るわ。ちゃんと私、戦う」
「……はあ。わかったよ」
「……?なんで残念そうなの?」
「なんでもないよ」

 ため息をつくダイバに首を傾げる。ダイバとしてはむしろ心が折れていた都合が良かったので、落胆していた。それには気づかず、ジェムは砕けかけた心を持ちなおし、次のバトルへと向かう――宝石は削られ研磨されて輝きを増すように、その瞳には活力が宿っていた。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ