怒りの眼
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ンジ!!飛翔せよメガリザードン!!」
リザードンの体が蒼と黒を基調とした色に染まり、口からも蒼い炎が漏れている。その威容を見てもジェムは全くひるむ様子を見せない。
「まずは挨拶代りだ。火炎放射を受け取れ!!」
「アイアンヘッド!」
メガリザードンが蒼い炎を吐く。一直線に飛んでくるそれを、メガクチートは二つの顎を大きく振るってはじき飛ばした。
「続いて煉獄!!」
「ミストフィールドよ!」
更なる業火を放つメガリザードンに対し、クチートは妖精の霧を漂わせて炎を軽減する。『煉獄』には命中した相手を強制的に火傷にする効果があるが、発動しない。
「面白い……ならば私とリザードンの必殺技で決着をつけてやる!!」
「……クー、鉄壁!!」
メガリザードンの体全体が蒼い焔に包まれる。メガクチートがいつでも大顎を振るえるように警戒しつつ守りを固めた。
「気高き竜の牙にかかって最期を遂げられる事、光栄に思うがいい。蒼炎のアブソリュートドライブ!!」
「クー、『じゃれつく』!」
フレアドライブとドラゴンクロ―を組み合わせた猛火の爪と、怒りに燃える黒き大顎が正面から激突する。相性は炎と鋼、ドラゴン、フェアリーで実質互角。数秒に渡る拮抗の末――お互いの体が吹き飛んだ。
「クー!」
「リザードン!!」
お互いがよろけながら立ち上がる。先に相手に挑みかかったのは、ジェムのメガクチートだ。
「火炎放射だ!!」
「突っ込んで、クー!」
メガリザードンが吐く炎の中に躊躇なく潜り込み、ミストフィールドと自身の大顎で守りながら肉薄し、噛みつく!
「……戻れ、リザードン」
大顎に噛みつかれ、リザードンは戦闘不能になった。ドラコがふう、と息をつく。満身創痍ながらも今だ戦意を見せるメガクチートを見て、呟いた。
「……いいだろう、撤回してやる」
「え……?」
ドラコの身体から戦意が消え、ジェムに近づいてくる。自らの右腕をジェムに差し出した。無警戒な態度に怒りから我に帰るジェム。
「お前とお前の父親への非礼は詫びよう。私の竜たちと互角に戦った実力、認めてやる。さすが王者の娘だとな」
「……本当に?」
「ああ、今回は負けを認めてやる。この私が認めるんだ。誇りに思うがいい」
「でも、私我を忘れてて」
「知ったことか。この地では、いやポケモンバトルでは戦いの結果だけが全てだ」
「……ありがとう」
ジェムはおずおずと手を伸ばす。ドラコはその腕を半ば強引に握り、握手を交わした。ただし、とドラコは挑戦的な笑みを浮かべて。
「私が認めた以上、許可なく無様な戦いをすることは許さん。
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