怒りの眼
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の表舞台に立つな。そして……私が貴様ら親子に引導を渡してやる。貴様の親は戦う意思すらないものを平然とこの地に送り出す下郎だとな!!」
ドラコは本気でジェムに、否チャンピオンに失望している。……その態度が、ジェムには許せなかった。
「私のことをどう思おうと好きにすればいい……でも、お父様を……悪く言うな!!」
「くだらん。事実を言って何が悪い」
「許さない……絶対に許さないんだから!」
ジェムの片方の赤い瞳が、熱を持ったように爛々と輝く。その時だった。ジェムの手持ちの一つが輝き、光に包まれる。怒りに燃えるまま、ジェムはそのポケモンを出した。
「出てきて、クー!」
クチートの大角が、メガシンカしたことにより二つに分かれる。より大きく、禍々しく歪んだ角が開き、相手を威嚇した。
「二体目のメガシンカか。いいだろう。全て叩き潰してやる!!」
「これ以上好き勝手言わせない……行くよ、噛み砕く!」
「コットンガードで受け止めろ!」
挑みかかるクチートにチルタリスは自身の羽毛を膨らませ衝撃を吸収する壁を作る。かぶりつくメガクチートの両顎に――霜が降りた。一気に冷え、極寒の冷気が柔らかい羽毛を凍り付かせ、粉々に粉砕した。そしてもう片方の顎が、チルタリスの蒼い体に食らいつく。チルタリスは大きく悲鳴を上げて倒れた。
「氷の牙か……下がれチルタリス」
倒れたチルタリスをボールに戻し、次のポケモンを出す。出てきたのは、緑色の体に妖精のような羽を生やした竜、フライゴンだ。
「噛み砕く!」
「易々と近づけると思うな、地震だフライゴン!!」
フライゴンが大きく地面を揺らし、メガクチートの足が止まる。だが、両顎には膨大な冷気が溜まっていく。それを光線のように打ち出した。直接攻撃を警戒していたフライゴンには、避けきれない。
「なっ……冷凍ビームだと?」
「許さない……あなたのポケモンは、全てこの子が噛み砕く!!」
羽が凍り付き、地面に降りたフライゴンをクチートの両顎で噛みつく。その力はすさまじく、フライゴンの巨体を回転させて捻りつぶした。フライゴンが動かなくなってなお、ジェムとメガクチートは相手を傷つけようとしている。紅い瞳が完全に怒りに支配されていた。
(こいつ、さっきまでの怯えたバトルとはまるで別人だ)
そう確信し、ドラコは初めてこの戦いで笑みを浮かべた。
「だが……そうでなくてはつまらない。私も本気でやってやる。出てこい、リザードン!!」
言わずと知れた赤き翼竜、リザードンを繰り出す。さらに、その体を蒼い光が包む。
「誇り高き竜よ。蒼き血統を受け継ぐ翼翻し。栄光の道を突き進め!!メガシンカ、Xチェ
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