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フロンティアを駆け抜けて
怒りの眼
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はないかというほどの衝撃がヤミラミの体を押しつぶした。

「……ゆっくり休んで、ミラ。出てきてラティ!」
「最初のラティアスか……いくぞ、電磁波!!」
「させない、サイコシフト!」
「なにっ!?」

 カイリューが電磁波でラティアスの体を痺れさせようとするが、その前に特殊な念力で電気を跳ね返し、逆にカイリューの体を痺れさせる。ドラコが歯噛みした。

「状態異常を跳ね返したか……なら攻め倒すまで、ドラゴンダイブ!!」
「竜の波動よ!」

 カイリューが再び天空へ舞い上がろうとするが、速度が乗る前のカイリューのスピードは麻痺していることもありそう速くはない。振り切られる前に銀色の波動がカイリューの体を撃つ。同じドラゴンタイプ同士、弱点を突く一撃は大きなダメージを与えるかに思われたが。

「……特性『マルチスケイル』の効果で、ダメージを受けていないとき相手から受けるダメージは半減される」
「ラティ、自己再生で次に備えて」
「影分身にサイコシフト、そして自己再生か。……随分と臆病なことだ。戻れカイリュー。そして出てこいチルタリス」

 もこもことした綿のような羽毛に包まれた蒼い竜、チルタリスが現れる。普通のチルタリスは一見鳥のようにも見える愛くるしさがあるが、ドラコの従えるそれは目つきも鋭く正しく竜の威圧感を放っている。

「……自分のポケモンが傷つかないようにするのが悪いことなの?」
「はき違えるな。お前の戦術はそんな大層なものではない。ただ敗北と、自分の傷を抉ることに怯えているだけだ。……その程度の敵に私は負けん!チルタリス、ゴッドバード!!」
「私は、そんなつもりじゃ……ラティ、影分身!」
「無駄だ、この瞬間パワフルハーブの効力が発揮される!!」

 その言葉通り、チルタリスは一切のノーモーションから神速を得てメガラティアスが何かする前に体を突っ込ませた。先のカイリューとは違う初動の速さに意表を突かれる。

「く……ラティ、竜の波動!」
「チルタリス、チャームボイス!!」

 チルタリスに体を抑え込まれながらもメガラティアスは竜の力を込めた波動を放つ。相手は相討ち上等と言わんばかりに特殊な音波を放って攻撃してきた。波動と音波がお互いに直撃し、メガラティアスは倒れる。チルタリスも大きなダメージを受けたが、ばたばたと羽毛の羽根を広げて戦意を見せた。
倒れたラティアスに駆け寄り、膝をついて体をさする。その様をドラコは蔑むように見下している。

「ラティ!しっかりして……お願い……」
「そいつにもう立ち上がる力はない。泣き言を言っていないで次を出せ」
「私は……私は……」
「ふん、戦意を喪失したか?ならば臆病者らしくこの地から消え去り、二度とバトル
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