怒りの眼
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じゃない、私はただ……自分のポケモンを傷つけたくないだけ」
「……やはり所詮は臆病者か。ならば容赦なく叩き潰してやる!!オノノクス、剣の舞!!」
「ペタペタ、出てきて!」
ジュペッタが影から這い出て攻撃を仕掛ける。オノノクスはそれに反撃せず受け止め、攻撃力を大きく上昇させる舞を踊った。そして。
「この技を受け果てるがいい!激震のダブルクライシス!!」
オノノクスが地震で地面を大きく揺らす。ジュペッタの体勢を崩したところに顎についた刃を二連続で振るう『ダブルチョップ』がジュペッタの体を紙屑のように引き裂いた。
「ペタペタ、下がって……」
「さあ、次のポケモンを出すがいい。それとも……ギブアップするか?臆病者」
ドラコの目が身長差も相まって小動物を見る巨竜のようにジェムを見下す。その目に怯みながらも、ジェムはまだ諦めることを――父の名誉に泥を塗ることをよしとは出来なかった。
「……行くよ、ミラ!」
「ヤミラミ……やはりハサミギロチンを恐れているのか」
図星だった。だがここで折れるわけにはいかない。壊れかけた矜持を胸に、ジェムは戦う。
「だがそんな小さなヤミラミ如き、一撃で沈めてくれる!オノノクス、ドラゴンクロ―!!」
「ミラ、見切り!」
大きく振るわれる爪を見切って躱す。懐に潜り込んだこの隙を好機と、ジェムは指示を出す。
「ミラ、『おしおき』よ!」
「!!」
相手の能力値が上がれば上がるほど威力が増す一撃を、オノノクスの胴にぶち当てる。オノノクスの体が勢いよく吹き飛び、地面に倒れた。
「……小さいからって甘く見ないで」
「このまま全タテしてやろうと思ったが……こうでなくてはつまらん。出てこいカイリュー!!」
オノノクスに代わり現れたのは寸胴な巨体を持つ竜、カイリューだ。やはりドラゴン使いなのね、とジェムは思う。
「ミラ、爪とぎ!」
「カイリュー、電磁波!!そして天空へ舞い上がれ!!」
カイリューの尾から見えない電気が放たれ、ヤミラミの体を痺れさせる。ドラコはすぅ、と息を吸い込み勢いよく喝を入れるように発声した。カイリューの体が姿すら見えなくなるほどの遥か天空へと飛翔し、空に暴風が吹き荒れ始める。
「食らえ!旋風のメテオダイブバースト!!」
カイリューのが大きく羽を震わせるとその巨体が風を纏い、一つの流星となってヤミラミに突撃する――!
「ミラ、見切り!」
「その程度で私の必殺技を止められるものか!!」
ヤミラミが突っ込んでくるカイリューの動きを見切ろうとする。だが、麻痺した体で逃れるのには相手の攻撃はあまりに速かった。フロンティア中に響くので
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