第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#20
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE] 〜Third Impact〜
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ば助かる」
状況と経験から類推して、承太郎が助命を乞われたと解釈したのは至極妥当、
しかし小心混じりに、少女から告げられた事実は完全に想定外。
「あ、だ、大丈夫です。
かなり危なかったですけど、なんとかやっつけましたから。
でも大分派手に動き回って、能力も見せてしまったのでその点は失敗ですけど」
「……」
言ってる意味が解らず不覚にも数秒思考が停止したが、
若干眼を瞠ったのみで承太郎は問い質す。
「まさか、 “勝ったのか?”
DIOの 『スタンド使い』 に? おまえが!?」
一言一句綿密な確認を取るように告げられた承太郎の言葉に、
吉田はふてくされた子供のように、むぅ、となる。
それは確かに、今まで戦った経験などないし(争い事は嫌いだし)
男でしかも百戦錬磨の承太郎にそう想われるのは仕方がないがでも、
“それでも” と想う。
「本当です! あなたに嘘なんかつきません!
そりゃわたしは……弱くて頼りなく見えるかもしませんが
“ライトちゃん” は本当にスゴイんです!
何度もピンチになりましたけど、一生懸命頑張ってくれました!」
一気に捲し立てるような言葉に精神が連動したのか、
少女の背後から天使のようなスタンドがビシュッと出現し、
『……』
一度照れクサそうに頭をかいた後、
煌めく両腕と両翼で優しく少女を包み消えた。
そのコトに当の吉田本人だけが気づいていない。
「……解った。悪かったな。
おまえだけじゃなく、おまえのスタンドまで侮辱しちまったようだ」
「い、いえ、わたしの方こそ取り乱してしまって。
自分でも信じられないのに、信じてもらえるはずありませんよね。
本当にわたしと違って、強くてキレイで優しい娘ですから、ライトちゃんは」
スタンドは自分の分身、能力、捉え方はそれぞれだが
確かに双子や兄弟のように想える時もある。
花京院から聞いた話だが、スタンドの中には本当に 「自我」 を持ち、
本体と保護者や悪友のような関係を築いている者もいるそうだ。
この少女にとってスタンドは、自らの精神を体現したものではなく
自身の理想型を具現化したモノに近いのだろう。
それならば最初から凄まじいパワーを持っているのも頷ける、
手練れ揃いのDIOの配下すら打ち倒す程に。
しかし。
引き裂かれた制服の裾、露出した素肌、
何より濡れた繊維が張り付いて浮かび上がらせる躰のライン。
軟弱な者ならそのアンバランスな膨らみだけを
赤面しながらも劣情に促されたまま凝視し、
しかし何の解決策も出さず直視出来ぬような
醜態を晒すだけだが承太郎、は……
「チョイ、待ってろ」
視線を切ると同時に学帽の鍔を目深に下ろし、
眼に付いたブティックへと走る。
1分待たずして店
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