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第二十二話
第二十二話 海上自衛隊壊滅!?
鞭が放たれた後。光が過ぎてもまずは何もなかった。
「あれっ!?」
小田切君はそれを見て意外な顔をした。
「何もないですよ」
「果たしてそうか?」
だが博士はいつもの笑みであった。実に不気味である。
「そうかって」
「見よ!」
博士はいきなり叫びはじめた。
「自衛隊の動きが止まっておるぞ!」
「あっ、本当だ」
言われてやっと気付いた。
「そういえばそうですね」
「何だ、驚きが足りんぞ」
「だっていちいち驚いていたら身が持ちませんから」
「何だ、面白くないな」
「人を驚かせる為に発明してるんですか?」
「それもある」
平気な顔で答える博士であった。
「人が驚くのを見るのが最高の快感だ」
「悪趣味ですね」
「崇高な趣味と言わんか」
「誰もそうは思いませんよ」
「むむむ、わしは猛烈に悲しい」
博士はそこまで言われて顔を顰めさせていた。
「わしの崇高な趣味がわからぬとは」
どうやら人を驚かせることが彼にとって最高の趣味であるらしい。やはりマッドサイエンティストは考えることが普通の人間とは完全に違っている。
「まあいい。では行くぞ」
「行くぞって博士」
小田切君は彼を呼び止めるように声をかけた。
「自衛隊とは戦わないんですか?」
「動かない敵を相手にするのはわしの流儀ではない」
「動かない・・・・・・まさか」
「左様、今の電磁攻撃でな。一時間は動けぬわ」
「そうだったんですか」
「どうじゃ、わしの電気鞭は」
気付けばもう博士の手の中にある。かなり訳のわからない鞭である。
「最高じゃろうが」
「一時間ですか」
「うむ、それが終われば普通に動く」
「じゃあ今のうちに」
「懐かしい我が家に帰るぞ」
「けれどありますかね、まだ」
「心配するな、ちゃんと残っておる」
「何でそれわかるんですか?」
「携帯からの情報でな。研究所に携帯と連動する警報機をつけておいたのじゃ」
「用意がいいですね」
「用心じゃ。何があるかわからんからな」
それだけあちこちから警戒されていることということである。
「帰るぞ、いいな」
「わかりました。何かあっという間でしたね」
「マッハ三じゃったからね。当然じゃ」
とてつもない騒動を起こして日本に戻って来た。当然この帰還は誰も望んでいないものだったので博士は帰国早々警察に連行されたのはまた別の話である。
第二十二話 完
2006・10・2
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