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第二十一話
第二十一話 電磁殺法
「さて、と」
博士は懐から何かを取り出した。
「カイザージョーで何かするんじゃなかったんですか?」
「何、それには及ばんよ」
博士は何故かここでカイザージョーを使おうとはしなかった。
「それよりな」
「ええ」
「これじゃ」
取り出したのは鞭であった。あの電気鞭である。
「これを使う」
「電気鞭一本で自衛隊を止めるつもりですか!?」
遂に本格的に頭がおかしくなったのか、小田切君はそう思った。だがそれを言うと今まではどうだったんだということになってしまうが。
「何か問題があるか?」
「無茶ですよ、そんなの」
「無茶かどうかは今わかる」
「って博士、じゃあ今までは」
「至って普通の旅行だったじゃないか」
「・・・・・・もういいです」
博士の常識は人類の非常識なのである。もう言うまでもない。
「それではな」
「ええ」
博士はよからぬことの準備に入った。
「で、何するんですか?」
「ほれ」
いきなり鞭を投げ捨てた。
「・・・・・・あの」
これは流石に予想していなかった。
「その鞭でやるんですよね」
「左様」
博士は下に広がる海を見下ろして答える。青く実に美しい海だ。
「じゃあ何で捨てるんですか」
小田切君は突っ込みを入れる。
「捨てたら何もならないじゃないですか」
「捨てたのではない!」
博士は強く言う。
「えっ」
「放ったのじゃ」
「鞭をですか」
「そうじゃ。見るがいい」
博士はまた言った。
「我が鞭の恐ろしさをな」
「・・・・・・あの、一体何するんですか?」
小田切君は急に不安になってきた。また何をしでかしたのかわからなかくなってきたのだ。
「今度は」
「この鞭をな」
「ええ」
どうせとんでもないことなのだけはわかる。
「使って電磁波の嵐を出すのじゃ」
「電磁波のですか」
「ついでに他の怪しげなものもな」
「それが凄い気になるんですけれど」
「まあ気にするな。それでな」
「気になりますけれど」
「話は聞け」
「・・・・・・はい」
博士に強引に話を折られた。
「とにかくそれで自衛隊を封じ込めるのじゃ。見よ!」
「おお!」
赤だの青だの緑だの黄色だの白だの紫だのオレンジだの何かよくわからない色々な光が出て来た。そして辺りを覆う。その中で異変が起ころうとしていたのであった。
第二十一話 完
2006・9・26
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