第2章 第1話 怨みの恨みの憾み
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目的です。これを終わらせなければ次へは進めません、僕はそこまで器用な性分じゃないんですよ」
「そうか…では」
その時、窓ガラスが割られる音がした。その場にいる皆がそれに注目する。そこには映るはずの外の景色は映されずただ黒い幕に覆われているようだった。
「っ…これは」
「油断は禁物だがね。ルイス・テスタロット」
「!?」
呼ばれることの無い名前、存在するはずのない名前、忌み子であるルイスに付けられない家名が付けられた呼び名、それに対して怒りを示したいがルイスにはそれが出来なかった。
「やっぱり貴方だったのね。『デス』」
「そうだとも『ハイプリエステス』もっとも今はメリーと呼んだ方がいいようだがね」
「ええそうね。でも旦那様に変わって言わせてもらうけどテスタロットの姓をつけるのはやめなさい」
「ふふふ、そうかいそれは失礼した」
真っ白い正教師の格好をした。痩せすぎと言っていいほどの男がルイスの首筋に触れルイスの意識を刈り取った。
「私は子供のように可愛らしい君の方が好きだったんだがねぇ、どうしてそこまで大人びてしまったのか疑問だが」
ルイスから少し離れ立ち上がっていたメリーと向かい合う。
「あら、私は本当は成長していたのよ。でも人形がこっちなのだからこっちにするしかないのよ。だからせめて口調くらいは大人になってもいいじゃない。もっとも貴方に言われても変えることは無いわ、小さい子が大好きな趣味なら尚更ね」
「いえいえ、私は純粋な子を愛しているだけだがね。ある意味では君もその内の1人だが…私達を裏切りこの彼についたというのはとても許されない事だがね」
「ふふっ、私が貴方達に仲間意識を持っていたとでも思っていたの?それならお笑いね、私は『エンペラー』の恩賞にわざとかかっただけ。私が認めた相手を見つけるまでのただの依代だったのよ『タロットの騎士』なんて」
その時ルイスの意識を戻そうとマリーがルイスの元へ駆け寄った所
「待ちなさい。今の旦那様に余計な事はしない方がいいわ」
触れようとした所に声をかけられビクッと体を震わせるマリー。その言葉の意味を知ろうと対峙している二人を除いてメリーに注目する。
「『タロットの騎士』『デス』の恩賞の力よ。このタナトスが対象を決めて触れた相手を精神世界へと意識を飛びすの」
「その通り、ちなみに下手に起こして中途半端な状態だった場合精神は崩壊されて人間として死ぬことになるんだがね。先に紹介されたが、私がタナトス。『タロットの騎士』の1人『デス』の恩賞を受けた者だ。本当は宣教師なのだがね」
「精神世界…怨みの念が強ければ強いほど相手を苦しめる…ほんとインキュバスとは思えないわ」
「ふっ、インキュバスとしての私は捨
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