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テキはトモダチ
11. あなたと空を駆け抜けたくて(後) 〜赤城〜
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 作戦場所は演習場。ここで戦闘機の操縦をしてくれる妖精さんを交え、3人で作戦を遂行する。

 作戦はこうだ。私が妖精さんが乗った戦闘機を超低空で射出。戦闘機はそのまま海上で待機している子鬼さんに向かって低空で飛行。子鬼さんはすれ違いざまに戦闘機に取り付けられたタラップをつかみ、戦闘機はそのまま上昇。こんな感じだ。

「いいですか? これは妖精さんの操縦技術と子鬼さんのすばしっこさと正確性……そしてチームワークが問われます」
「キャッキャッ!」

 作戦前のブリーフィングを波打ち際で行う。私の説明を子鬼さんは歯茎を全面に出しながら聞き、妖精さんは至極真剣な眼差しで敬礼をしながら聞いていた。妖精さんの表情はやる気に満ちている。子鬼さんの表情はいつもと変わらないが、その眼差しは少しだけワクワクが込められているように見えた。

「ではいきましょう! 各自、配置に着いてください!」
「キャァァアアアア!!」

 はじまりの合図として、私はパンと手を叩く。妖精さんはそのままの真剣な眼差しで私に敬礼を向けた後、子鬼さんと握手をして戦闘機に乗った。子鬼さんは妖精さんと握手をした後、しばらくこっちをジッと見て……

「……」
「……」
「必ず成功させますよ!」
「キヤァァアアアア」

 元気いっぱいに海上に出て行った。

「みんなー! がんばるのですー!!」
「がんばるクマー!!」
「おー! がんばれよー!!」

 電さんたちが少し離れたところから声援を送ってくれた。言われずとも必ず成功させる。子鬼さんに、美しい世界を見せてあげるんだ。私は艤装を取り付け、静かに海面に立った。冷たい風が頬をなでてくれる。心地いい冷たさが、私のドキドキをさらに加速させる。

「いい風ですね。波も穏やかになった……準備はいいですか!?」

 私から離れた場所にいる子鬼さんに声をかけた。遠くから『キヤァアアアア!』という、子鬼さんの叫び声が聞こえた。どうやら私の相棒は、準備が整ったようだ。

「では第一射、行きます!」

 戦闘機の矢をつがえ、弓を引き絞る。その途端朝稽古の時のように、私の世界が閉じていく。世界が私と戦闘機の妖精さん、そしてはるか先で待機する子鬼さんだけになった。矢が描く射線が子鬼さんに向かってまっすぐ伸びていく。私が思い描く理想のラインを形作った。

「……ッ!」

 戦闘機を放つ。放たれた戦闘機は軽快なプロペラ音をたてて海面スレスレを飛んで子鬼さんに向かっていく。

「子鬼さん!!」
「キヤァァアアアア!」

 同時に子鬼さんが海上を滑るように走る。戦闘機と魚雷艇では戦闘機の方が圧倒的に速いが、それでも魚雷艇のスピードであれば戦闘機に食らいつくことが出来る。そのまま並走し、戦闘機から垂らされたタラ
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