11. あなたと空を駆け抜けたくて(後) 〜赤城〜
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ップさえ掴めば……!!
「……がんばれ!」
「キヤァアアアア」
「子鬼さーん! がんばるのですー!!」
だがさすがに戦闘機のスピードは魚雷艇では並走しつづけるのは難しいようだ。子鬼さんはタラップをつかむことが出来ず、そのまま戦闘機に追いぬかれてしまった。
「あー……ダメだったのです……」
「やはり子鬼と戦闘機じゃスピードが違いすぎるか……」
子鬼さんを追い抜いてしまった戦闘機が、そのまま私の甲板に戻ってきた。妖精さんはコクピットの中で私に申し訳ないような……なんだかしょぼんとした顔をしていた。
「気にしちゃだめです。失敗して当たり前。何度でもチャレンジしましょう」
そういい妖精さんを元気づけた。ピコンと反応した妖精さんは、さっきまでのキリッとした表情に戻り、私に対して敬礼を返してくれる。よし。それでこそ一航戦。一度の失敗で心が折れるほど、一航戦は弱くない。
「子鬼さん! もう一度行きますよ!!」
「キヤァアアアア!」
大丈夫。子鬼さんもあきらめてはいない。妖精さんも一緒に飛んでくれる。大丈夫だ。私は再度弓を構え、戦闘機を放ち、子鬼さんを走らせた。そして失敗。その繰り返しだ。
試行回数が増えてくるに連れ、子鬼さんが次第にコツをつかみ出した。並走中にタラップをつかめるようになってきたのだ。
「子鬼さん! そのままタラップに足をかけて!!」
「キヤァアアアア!!」
「行くのです!!」
「いけ子鬼! 根性見せろー!!」
「がんばるクマー!」
しかし超高速で戦闘機と並走しながらタラップを手でつかみ、そのままそのタラップに足をかけるというのは相当に難度が高いようだ。後一歩のところで足が滑り、手を離してしまい……
「ああ……」
「だあッ! ちくしょッ!! 後少しなのにッ!!」
子鬼さんは水しぶきを上げながら、海面を転げまわっていた。
やり直しては失敗を繰り返して10回を数えた頃、私たちは一度休憩し、昼食を摂ることにする。ギャラリーを含む全員で食堂に戻り、皆で昼食を摂る。
「やっぱり無理なのです……?」
「いくら姐さんでも難しいかもしれねーなー……」
一緒にご飯を食べるギャラリーからはちらほらと不安視する声が出てはいるが……
「子鬼さん」
「?」
「まだがんばれますか?」
「キヤァァアアアア!」
よし。子鬼さんの心は折れていない。ご飯を食べるスピードもさして遅いということもないようだ。大丈夫。
「妖精さんは?」
同じく妖精さんを見ると、妖精さんもやる気に満ち溢れた敬礼を返してくれた。よし大丈夫。私たちはまだ心は折れていない。午後からも頑張れる。
二人はもちろん、私の士気もまったく落ちていない。相棒であ
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