第一部
第一章
悪魔の手紙 魔王からの贈り物
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は...
そそくさと自身のベッドに駆け込み、取り扱い説明書を読む。
すると、どたどたと足音が近づいて来た。木綿季たちだ。
「ねぇ!プレイヤーネームどうするの?」
なるほど、用事はそれか。
「お前らなぁ、ノックくらいしろよ。俺が何かしてたらどうするんだよ。」
「な、なにかって...」
急に俯いて頬を紅く染める藍子。成る程、最近の中1はませているっと。メモメモ。
「ん?なにかってなぁに?」
おぅ、やっぱりこいつは鈍感さの塊。やっぱりコイツら正反対だよなぁ。
「なんでもねぇよ。それより、プレイヤーネームだっけか?」
「うん。なんかはぐらかされた気がするけど、良いや。」
「椿くんが...この部屋で...ナニを...」
「おい、藍子。妄想から戻ってこい。」
カセットのケースでコツン、と頭を小突いてやる。するとこいつは、あう!と言ってうずくまる。
俺はこいつのこんな仕草が小動物っぽくて可愛いと思う。
「で、お前らはどうするんだ?完璧な思いつきでやるのか?それともリアルネームにするのか?」
「んー?ボクは普通にリアルネームかなぁ。楽だし、聞き慣れてるしねぇ…。姉ちゃんは?」
「私は本名かえるだけかな?藍子の藍の読みを変えてラン。」
「俺は普通にツバキかな?」
「よっし!じゃあ、最初の町の近くの武器屋に集合ってことで!またねー!」
ダッシュで自分の部屋へかけ戻って行く木綿季。その姿を見て藍子がため息をつく。
「かわんねぇな、ホンットに。」
「ホント..迷惑かけてごめんね?」
「良いって。もう妹みたいなもんだしな。」
「そう、じゃあ私はお姉さんかな?」
「ああ、手のかかるドジッ娘の、だけどな。」
「ふふ、そうかもね。じゃあ、またあとで。」
微笑みながら駆けていく藍子を見送り、ナーヴギアを頭に嵌めた。
「リンクスタート」
呟く様に口に出し、目をつぶった。
ふわり、と体が浮くような感覚と同時に、世界が暗転する。
これから、物語が始まるのだ。
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