暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
人形-マリオネット-part1/暗躍する宿敵
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きか?
ただ、ジュリオだけはいつもどおり笑っていてまったく恐怖している様子はなかった。
「そういえばサイト、あの後お父様から何か言われなかった?」
父のことも引き合いに出したことで、ルイズはサイトが、自分の父から何か言われなかったかを尋ねた。
「あぁ、言われたよ。『ルイズのことだから。これからも陛下のために尽力することだろう。その分あの子の身に危険も伴うに違いない。あの子の虚無を狙う輩の分もまとめてな…』『よいか、ルイズに万が一の事でも起こしてみよ。しくじったら、君の首を一か月さらし首にするつもりでいろ』ってさ…」
「お父様ったら…」
ルイズは、父がどこまでも娘に対して心配性であることを再認識し、呆れた。今回婚約者を押し付けてこようとしたり屋敷に無理やりにでもとどまらせようとしたのも、結構な親馬鹿っぷりがそうさせたのだとわかる。
「ま、言われなくてもそのつもりだったよ」
「え?」
「俺はお前の使い魔だ。お前を守るなんて当然だろ?」
「…ふ、ふん!ようやく自覚が出てきたってわけね。ま、褒めてあげる…わ」
サイトのさりげなくも、固い決意に満ちた言葉に、ルイズは隠そうにも隠しきれていない嬉しさを、やはりいつものようにツンケンした態度で誤魔化した。
「…」
(けど、親…か)
そういえば、とサイトはあることを思い出す。
(義母さん…元気なのかな)
中学時代、家族を失った自分を孤独から救った義母のことを、彼は心地よい風を浴びながら思い出した。故郷に帰る際に真っ先にすること、それは母に自分の存命を伝えることだ。それだけで親は安心する。思えば、長いこと地球を離れてしまっている。
ゼロも、サイトの目を通して先ほどまでのやり取りを聞きながら、自分の父のことを思い出した。
故郷=光の国で物心付いたときには、家族はおらず、孤児として生きていたゼロ。孤独ゆえに荒れてしまい、そして危うく悪の道に落ちかけるほどの大罪を犯した。そんな彼を、父は師たちと共にずっと影ながら支えてきてくれていた。
((会いたいな…だけど…))
二人の意識と言葉が、心の中で重なる。
この世界も、地球と同様に、怪獣が暴れ、数多の侵略者たちに狙われている。しかも、虚無のルイズやその母で優れたメイジであるカリーヌ、そしてこれまでこの世界であってきたグレンファイヤーなどの頼もしい味方がいても、地球ほど防衛力に富んでいないこの世界は格好の的だ。
これを無視して地球に帰れば、忘れたくても忘れられない悲劇がこの世界の各地に起こり、人々が苦しむことになる。
気が付けば、帰りたくても帰るわけにいけなくなった状況に立っていた。
一方でハルナは、少し暗めの表情を浮かべていた。
サイトは確かに、自分との間に、必ず地球へ帰るという約束を交し合った。それは確かだろう。でも…約束が必ず守れら
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