第三百八十話
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第三百八十話 背とスタイルは
華奈子と美奈子にだ、二人の母はいささか真剣な面持ちになって話していた。その話はどういったものかというと。
「ひいひいお祖母ちゃんも同じ顔だったらしいのよ」
「私達のひいひいお祖母ちゃん?」
「その人は」
「お母さんのひいお祖母ちゃんね」
二人の四代前なら母にとって三代前なのでこうなる。
「その人は小柄で胸も小さかったらしいのよ」
「それでもお祖母ちゃんはスタイルいいけれど」
「背も高くて」
「ひいお祖母ちゃんから牛乳を飲みはじめたの」
即ち母の祖母からだ。
「それから背が大きくなって胸もなの」
「スタイルもよくなった」
「そうだったの」
「そう、お母さんの家系は牛乳をよく吸収する体質みたいで」
それでというのだ。
「あんた達のひいお祖母ちゃんからそうなったから」
「じゃあ牛乳飲んだら」
「そうなるの」
「そうみたいよ、だからモデルさんみたいな体型になりたかったら」
華奈子が望む通りにだ。
「牛乳を飲むことよ」
「そうしたらなのね」
「私達もスタイルよくなるのね」
「ええ、ただどっちかが飲まなかったら」
その牛乳をというのだ。
「そのどっちかはひいひいお祖母ちゃんみたいになるかも知れないわね」
「双子でも一方は背が高くて胸も大きくて」
「もう一方は小柄で胸もなの」
「まあ背も胸もどっちでもいいのよ」
大きくても小さくてもというのだ。
「それぞれ好みの人がいるから」
「あれっ、背が高い方がいいんじゃ」
「胸も大きい方が」
このことは二人にとっては意外なことだった、男の人は絶対に背が高くて胸が大きいモデル体型の美女が好きだと思っていたからだ。
だが母の小柄や胸が小さくともと聞いてだ、こう言うのだった。
「男の人って背が高い人が一番好きじゃないの」
「胸が大きくて」
「そうした美人さんじゃないと駄目って」
「そう思っていたけれど、私も」
「百人いれば百人の好みがあるのよ」
母はここでは笑って娘達に話した。
「そこは覚えておいてね」
「ううん、わからないわ」
「私も」
頭の回転の早い華奈子も知識の多い美奈子も首を傾げさせる、二人共このことでは定評があるがだ。
「小柄でもいいの」
「胸が小さくても」
二人にはまだわからないことだった、男性の好みのそれぞれは。それはこれから知ることだった。
第三百八十話 完
2016・9・22
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