交換
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、な・・・)
つまらない・・・そう感じていると、不意に自分の手が少しずつ薄くなっていることに気付く。
『ウェンディ選手!!弱点部位へのダメージにより退場です!!』
そのアナウンスで、友人のスペルが看破されたことをすぐに彼は悟った。そして、だから自分の体が消えかけているのだと結論に至る。
(そっか、シリルが・・・頑張れよ、シリル)
『シリル選手!!弱点部位へのダメージにより、レオン選手!!退場です!!』
心の中で仲間へとエールを送り、フィールド外へと転送されるためにその場から姿を消していく。彼は最終決戦の様子を退場者の集う部屋で観戦することにしたのだった。
レオンが退場するコールが鳴り響いたフィールド内。そこに残されている三人のうち、黒髪の女性と銀髪の青年は目を白黒させており、何がなんだかわからないといった顔をしていた。
「レオン?なぜシリルじゃなくてレオンなんだ?」
勝利を確信し、喜びの言葉を交わし合っていた二人はそのアナウンスの意味が理解できない。しばしの沈黙の後、後ろから殺気を感じた彼らはそちらを振り向く。
「水竜の斬撃!!」
右腕を水の剣へと変換し、上空から斬りかかってくる小さな影。それを目撃した青年は、大慌てで後ろにいた女性を突き飛ばす。
バキッ
突き飛ばされたカグラが地面に倒れるのと同時に、その耳に聞こえてくる破壊音。彼女は顔を上げその音が聞こえた方向を見ると、思わず目を見開いた。そこには自分を庇って少年の攻撃を受けた仲間の姿があったからだ。
『リオン選手!!弱点部位へのダメージにより退場です!!』
「っ・・・!!」
プレイヤーを守るように盾となったリオンは胸につけていた弱点バッジを切り裂かれ、徐々にその姿が薄れていく。
「カグラ!!油断するな!!まだ終わっt――――」
完全に気を抜いていたこともあって不意討ちに反応できなかった彼はまだ地面に手をついたままの剣士に忠告をしようとしたところ、言葉半ばでその場からいなくなる。そして消えた氷の魔導士の影から、足に水を纏った少年が飛び込んできていた。
「水竜の鉤爪!!」
小さな体躯をダイナミックに使い地上にいる敵へと奇襲を仕掛ける。それを見たカグラはギリギリのところではあるが、なんとか地面を強く蹴って飛び去るように回避する。
(なんだ?まだ頭の整理ができない。一体何がどうなっているんだ?)
額に手を当てここまでの出来事を一度整理することにした人魚最強の剣士。彼女の中でわかっているのは・・・
シリルのスペルを封じた。
↓
ウェンディとシリルの弱点バッジにダメージを与えた。
↓
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