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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
交換
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統べなくやられていることだ。
口を塞いでいることで片手での戦いを強いられる自分と、スペルを駆使し能力を底上げした敵。勝ち目がないと思っていただけに、このような状況になるとどこか悲しくなってくる。

(シリルたちが決着をつけてくれればいいんだけど、シェリアとソフィアがやられたみたいだし、まだ時間がかかるかな?)

敵プレイヤーの弱点バッジを破壊できればその時点でゲーム終了。つまり、今年の優勝チームが決定する。
アナウンスで4対2になったことを知っていたのでこのまま決まるかと思っていたが、徐々に戦力を削られていき、いつしか五分と五分の戦いになっている仲間たち。

(状況が五分なら、より俺のスペルが生きる。だったらここは・・・)

ふっと鼻から心を落ち着けようと息をつき、ようやく起き上がった敵を鋭い眼差しで見据える。

(自分が生きることを最優先に考えることか)

おそらく敵にスペルを看破されることはない。もしスペルを使用できない状況になるとしたら、それはここで退場させられた時だけ。そう察したレオンはこの退屈な戦いを終わらせるために今持てる最大限の速度で敵との距離を詰める。

(この退屈な時間を終わらせよう。後は向こうの結果を待つだけだ)

拳を強く握り、全神経を集中させていく。魔力を帯びた左手を引き、強く、それでいてしなやかに腕を突き出し、目の前の存在にもどかしさを振り払うために、怒りにも似た感情の全てをぶつける。

「お・・・おぉ・・・」

全ての感情をぶつけるように放たれた一撃を受けた青年は、あまりの痛みに白目を向き、殴られた箇所を両手で押さえると、電池が切れたラジコンのようにフラフラと、力なく地面へと崩れ落ちた。

(終わったな)

喪失感のようなものに苛まれながら、トビーの体につけられている弱点バッジを探し、破壊する。

『トビー選手!!弱点部位へのダメージにより退場です!!』

そのアナウンスとともに彼の目の前から気絶して横になっている犬っぽい人物が消える。それを見届けた後、彼は近くの柱に背を持たれかけ、疲労した体を休めることにした。

(なんやかんやでまた勝っちゃったな)

氷の滅神魔法を取り戻してから、ほとんどの戦いで勝利している彼はまたその連勝記録を伸ばしたことに、ホッとしたような、ガッカリしたような、なんとも言えない顔をしている。

(俺が負けたのは、あの一回だけになるのかな)

集中していたはずだったのに、ふとそれが途切れた。敵に背を向け、慌てて振り返った時にはその少年は目と鼻の先に来ており、逃げることも反撃することもできずにトドメを刺された。彼がこの魔法を扱った戦いで、唯一の敗戦。その出来事は今でも脳裏にこびりついている。

(それはそれで面白いけど・・・なんか
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