交換
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
シリルとウェンディ、カグラとリオンのペアが戦っていた同時刻、そこから大きく離れた場所では二人の強者がぶつかり合っていた。
「オオーン!!レオン!!これでも食らえ!!」
爪を立て、飛び付くように少年に襲い掛かるトビー。この二人の戦いは、一方的なものになりつつあった。
ガシッ
「!!」
目で捉えきれないのではないかというほどの速度で放たれる乱れ引っ掻き。しかし、それをレオンは容易く避けると、トビーの手首を空いている手でガッシリと掴み、あっさりと投げ飛ばす。
「オオーン!!あっさりかよ!!」
空中に投げ飛ばされたトビーは思わず悔しさで絶叫する。高々と上がったトビーは最高到達点から落ちてくると、下で待ち構えている少年は左手を引き、顔面へと拳を叩き込む。
「うおっ!!」
“絶対無敵強”で強化されているとはいえ、元々の実力はレオンの方が圧倒的に上。序盤こそトビー有利で展開されていたものの、徐々に“金髪うわー”に慣れてきたレオンの動きが良くなっていき、完全に状況はひっくり返っていた。
スゥッ
地面に倒れ込んだ青年の上に立ち、足を振り上げる。そのまま彼は踵を向け、トビーの腹部へと降り下ろした。
「ぐほっ!!」
思わず吐き出しそうになった青年は咳き込みながら体を起こす。トビーが優勢だったはずの展開は、今やレオンが一方的に攻めているだけの戦い。トビーは完全に、サンドバッグ状態になっていた。
「いてぇんだよ!!」
「!!」
しかし、トビーもまたそれを耐え凌いでいた。特殊能力の力によって身体能力が向上している彼は、もちろん防御力も著しく上がっており、本来ならすでに失神していてもおかしくないレオンの攻撃に、なんとか耐えて戦うことができていた。
「メガメガくらげぇ!!」
レオンの腕を払った彼はすぐに立ち上がり、何度目かわからない引っ掻き攻撃へと移るが、その攻撃もあっさりと受け流され、通り過ぎたところで後ろから飛び蹴りを食らいあえなく地面へと転落する。
「くっ・・・」
何度やられても諦めることなく体を起こし、次に向かおうとするトビー。彼がゆっくりと動いている間にもレオンが攻撃してしまえば早々に決着がつきそうだが、彼も口を無理矢理押さえ込んでいることには変わりないため、呼吸が乱れないように常に攻め続けるということができなくなっているのだ。
(結局こうなっちゃうのか・・・ちょっと残念)
四つん這いになり這い起きようとするギルドの仲間を見下ろしながらそんなことを考えている氷の神。彼は今のトビーの姿に、ガッカリといった表情をしていた。
(ここまでトビーさんが有利なのに・・・)
彼がガッカリしていた大きな要因、それは、絶対的に有利であるはずのトビーが自分になす
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ